こんにちは!赤ちゃんが生まれて、体の回復と慣れない育児に追われているママさんへ。
産後の体には、悪露や後陣痛、会陰の傷、むくみ、便秘など、様々な変化やマイナートラブルが起こります。「これって普通なのかな?」「他のママもそうなのかな?」と、不安になることもありますよね。
産後の体の変化の多くは、回復過程で自然に起こることですが、中には、医療的な処置が必要な、注意すべきサインも存在します。しかし、産後は疲労困憊で、何が「いつも通り」で何が「異常」なのか、判断が難しくなることがあります。
この記事では、産後、特に注意が必要な「見過ごしてはいけない症状」について、あなたの不安に寄り添いながら、分かりやすくお伝えします。
「いつもと違うな」「何かおかしいな」と感じた時に、迷わず医療機関に連絡できるよう、ぜひ参考にしてください。迷うくらいなら、医療機関に相談することが、あなたと赤ちゃんを守るために最も大切な行動です。
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産後、迷わず病院へ連絡・受診すべき症状リスト
産後の体の変化には個人差がありますが、以下の症状が見られた場合は、自己判断せず、必ずかかりつけの産婦人科や、指示された医療機関に連絡または受診してください。
症状 | 具体的にどんな状態? | 考えられる可能性や注意点 | すぐに連絡・受診を! |
---|---|---|---|
多量または 異常な出血 |
悪露の量が急激に増えた。 一旦減っていた悪露が、再び出産直後のような鮮血に戻り、量も多い。 夜用ナプキンが1時間も持たずにびっしょりになるような出血が続く。 |
産褥期出血、胎盤遺残など。命に関わる可能性も。 | 必須 |
耐えられない 激しい腹痛・骨盤痛 |
後陣痛の通常の痛みをはるかに超える、持続的な激しい下腹部や骨盤の痛み。 痛みが時間とともに悪化する。 |
子宮内感染、血腫、癒着など。 | 必須 |
発熱 | 38℃以上の発熱がある。 | 子宮内感染、乳腺炎、尿路感染症など、様々な感染症の可能性。 | 必須 |
悪露の異常 | 悪露から強い悪臭がする。 悪露の色が異常(灰白色など)。 悪露がずっと鮮血のまま続く(産後2週間以降も)。 |
子宮内感染、悪露の排出が滞っている可能性。 | 推奨 |
ひどい頭痛 | 通常の頭痛薬で和らがない。 安静にしても良くならない。 目のチカチカ、視界がおかしい、吐き気、息切れなどを伴う。 |
妊娠高血圧症候群の遷延または悪化、脳血管系の問題など。 | 他の症状を伴う場合は必須 単独でも続く場合は推奨 |
足の痛みや腫れ | 片方の足(特にふくらはぎ)がひどく痛む、腫れている、赤くなっている、熱感がある。 | 深部静脈血栓症(DVT)の可能性。肺塞栓症など重篤な状態に繋がるリスクも。 | 必須 |
息苦しさ・ 胸の痛み |
横になっても息苦しい。 少し動くだけで息切れがひどい。 胸の痛みがある。 |
肺塞栓症、心臓や呼吸器系の問題など。 | 必須 |
ひどい吐き気・嘔吐 | 水分も摂れないほどひどい吐き気や嘔吐が続く。 | 様々な原因が考えられる。 | 推奨 |
傷口の異常 (会陰・帝王切開) |
傷口が強く痛む、赤く腫れている、熱を持っている、膿が出ている、縫合が開いた。 | 傷口の感染。 | 推奨 |
精神的な 不調の悪化 |
ひどいゆううつ感、強い不安、眠れない、食欲がない、赤ちゃんへの愛情が感じられないといった症状が2週間以上続く。 自分や赤ちゃんを傷つけたいという気持ちが芽生える。 |
産後うつ病、産後精神病など。専門的なケアが必要。 | 重症化する前に推奨 自殺念慮や幻覚などがあれば必須(緊急対応が必要な場合も) |
その他 「いつもと違う」 |
上記以外でも、ご自身の体調で「何かおかしい」「いつもと違うな」「なんだか不安だ」と感じる症状。 | ママの直感は大切です。 | 迷ったら連絡! |
【重要なこと】
産後の体調は日によって波があることもありますが、上記のリストにあるような症状や、「いつもと違うな」という違和感を感じたら、時間帯にかかわらず、まずはかかりつけの医療機関(産院など)に電話で状況を伝えて指示を仰いでください。 必要に応じて、救急外来の受診や、他の医療機関への受診を案内されることもあります。
一人で抱え込まず、専門家の判断を仰ぐことが、何よりも大切です。
まとめ:あなたの「いつもと違う」に耳を傾けて
産後の体には様々な変化がありますが、中には見過ごしてはいけない大切なサインもあります。悪露の異常な変化、強い痛み、発熱、息苦しさ、足の痛み、そして「いつもと違う」というあなたの直感。
これらのサインを見逃さず、迷うくらいなら、必ずかかりつけの医療機関に連絡・相談してください。専門家があなたの状態を適切に判断し、必要な処置やアドバイスをしてくれます。
「大丈夫かな?」と一人で不安を抱え込まず、あなたの体の声に耳を傾け、周りを頼ることが、あなたと赤ちゃんを守るために何よりも大切です。
どうかご自身の体調を大切に、そして何かあったらすぐに相談してくださいね。心から応援しています!
(参考:
- ACOG(米国産科婦人科学会)産後警告サイン:
- NHS(英国国民保健サービス)出産後に注意すべき症状:
(関連: