子どもが大好きないちご。旬の季節には甘くてみずみずしくって、子供なら笑顔になるいちご。そんないちごがタイトルとなっている絵本を発見。
今回の絵本特集で取り上げる「いちご」どんな絵本なんでしょう。
いちごってどんな絵本?
作・絵:平山和子
出版社:福音館書店
発行日:1989年04月
いちごが大好きな子供は多いのですが、いちごを庭や畑で育てている方はそんなに多くないでしょう。
きっと子供たちもスーパーで売っているいちごや台所で冷蔵庫から用意されるいちごは知っているけど、育っている様子などは知らない子も多いはず。
そんないちごを写実的にまるでそこにあるかのように描写され、赤く熟すまでの過程を知ることができるのと同時に、いちごたちが熟すまで答えてくれる様子も読んでいると子供たちに受けのいい絵本なんですよ。
いちごを読み聞かせした方の感想
平山和子さんの描く、本物そっくりのみずみずしいいちごが印象的な絵本です。冬のある日、雪に埋もれるいちごの葉に「いちごはどこにあるの?」というこどもからの問いかけで、ものがたりが始まります。今は葉っぱだけのいちごに、どうしたら赤いいちごの実がなるのか、いちごの葉とこどもの問いかけが続いていきます。
問いかけが続くにつれて少しずつ季節が変わっていき、それに合わせていちごの葉の描写も変化していきます。そして待ちに待った春が訪れる描写のページでは、ついつい手を伸ばしてしまいそうになるぐらい、赤くてツヤツヤとした美味しそうないちごが見開きいっぱいに現れます。
私自身、こどもの頃にこの絵本を読んでもらい、いちごがたくさん出てくるページが大好きで、何度も読んでと親にお願いをした記憶があります。自分のこどもが産まれたら読んであげたい絵本のひとつでした。
2歳になる私のこどもはフルーツの中でもいちごが大好きです。そしてもちろん、おいしそうないちごが出てくるこの絵本も大好きで、「いちごの本読んで‼︎」とこの絵本をよく持ってきます。いちごの葉のセリフを読む時にこどもに問いかけるようにすると、「いちごはどこかなぁ?」「いちご、まだかな?まだかな?」とこどもも反応しながら絵本を楽しんでくれます。いちごがたくさん描かれているページで、食べ頃のいちごを選んで摘み、ぱくっと食べて「あまーい!」「おいしいね」とお互い言うのも、この絵本の楽しいところです。
1歳半ごろにこどもにこの絵本を読み始めましたが、年齢が上がっても楽しめるのが、この絵本のおすすめでもあります。初めは赤いいちごを見て絵本を楽しんでいましたが、今はそれに加えていちごには花があること、実がなっても青いいちごは甘くないことなど、いちごについて少し学びながらお話を楽しんでいます。もう少しこどもが大きくなったら、いちごはどうやってできるのか、いつの時期になるのかなど、本人に聞きながら一緒に絵本を読んでみても面白いかなぁと考えています。
最後に、この絵本の作者である平山和子さんの作品、『くだもの/福音館書店』にも、いちごはもちろん、ぶどうやスイカなど、こどもが大好きなくだものがたくさん登場します。美味しそうなくだものの絵を見て、絵本のストーリーとは別に親子でお話しを作っても楽しい絵本なので、『いちご』を読まれたらぜひ、『くだもの』もこどもと一緒に楽しんで読んでほしいです。