授乳中のママさん、毎日のお食事作り、本当にお疲れ様です。赤ちゃんの成長のために、どんなものを食べたら良いか、栄養バランスは大丈夫か…毎日頭を悩ませることもありますよね。そんな中で、「PFAS(ピーファス)」という化学物質が食品を通して体に入り込むかもしれない、という話を聞いて、さらに不安になっている方もいらっしゃるかもしれません。
でも大丈夫です。過度に神経質になる必要はありませんが、食品選びに少し気を配るだけで、PFASの摂取を減らすことは可能です。ここでは、授乳中のママが安心してお食事を楽しむための、賢い食品選びのヒントをお届けします。
食品からのPFAS摂取、なぜ注意が必要?
PFASは、水をはじく、油をはじく、熱に強いといった特性から、食品に直接触れる包装材や調理器具によく使われてきました。例えば、ファストフードの包装紙や電子レンジ用のポップコーン袋、紙製の油染み防止加工されたお弁当容器などです。
これらの包装材から、ごく微量のPFASが食品に移行する可能性があると指摘されています。また、PFASが環境中に広がり、水や土壌を介して農作物や魚介類に取り込まれる可能性も研究されています。特に、魚介類の一部では高濃度のPFASが検出されるケースがあるため、注意が必要と言われています。
「え、じゃあ何を食べたらいいの!?」と、戸惑ってしまうママもいるかもしれませんね。筆者の友人も、妊娠中に食品の添加物が気になりすぎて、食べられるものがどんどん減っていき、一時はストレスで食欲が落ちてしまったことがありました。でも、大丈夫。完璧を目指すのではなく、できることから始めることが大切です。
今日からできる!PFAS摂取を減らす食品選びの工夫
授乳期のママは、赤ちゃんのためにもしっかり栄養を摂ることが大切です。制限しすぎず、賢く食品を選んでいきましょう。
1. 加工食品・外食を見直す
- 過剰な包装の食品を避ける: 個包装が多いお菓子や、油染み防止加工が施された袋に入った食品は、PFASが使われている可能性があります。できるだけ、シンプルな包装の食品や、生の食材を選びましょう。
- テイクアウト・デリバリーの頻度を調整する: ファストフードやデリバリーの容器には、PFASが含まれる加工がされていることが多いです。たまに利用するのは良いですが、毎日のように利用するのは見直してみるのも良いかもしれません。もし利用する場合は、自宅の容器に移し替えるなどの工夫も有効です。
- 電子レンジ調理に注意: 電子レンジ用のポップコーン袋や、一部の冷凍食品の容器にはPFASが使われていることがあります。可能な限り、ガラス製や陶器製の耐熱容器を使うなど、直接食品が触れる機会を減らしましょう。
2. 食材そのものの選び方
- 旬の食材、地元の食材を選ぶ: 旬の野菜や果物は栄養価が高く、比較的農薬の使用も少ない傾向があります。また、地元の食材を選ぶことで、流通経路が短くなり、より新鮮なものを手に入れやすいメリットもあります。
- 魚介類の選択に工夫を: PFASは、一部の魚介類から高濃度で検出されることがあります。特に、食物連鎖の上位に位置する大型魚や、特定の汚染地域で捕獲された魚は注意が必要と言われています。毎日同じ魚ばかり食べるのではなく、様々な種類の魚や、貝類、海藻類などもバランス良く取り入れることを心がけましょう。また、国産の鮭やカツオなどは比較的安心とされています。
- バランスの取れた食事: 特定の食品に偏らず、野菜、果物、穀物、肉、魚、豆類など、様々な食品をバランス良く摂ることが、結果的にPFASのリスクを分散し、体全体の健康維持にも繋がります。
カテゴリ | PFAS摂取を減らすポイント | 代替案・具体的な行動 |
---|---|---|
調理器具 | フッ素加工(テフロン加工など)のフライパン | 鉄製、ステンレス製、陶器製のフライパン・鍋 |
食品包装 | 油染み防止加工された紙類、一部のプラスチック容器 | シンプルな包装の食材、ガラス・陶器の保存容器、マイ容器持参 |
外食/加工食品 | テイクアウト・デリバリーの頻度、冷凍食品の容器 | 自炊の頻度を増やす、自宅の皿に移し替える、無包装の食品を選ぶ |
飲み物 | 特定のペットボトル飲料、水道水(地域による) | 高性能浄水器の使用、水源が明確なミネラルウォーター |
Q&A:ママたちの素朴な疑問
Q1: オーガニック食品ならPFASは含まれていませんか?
A: オーガニック認証を受けている食品は、農薬の使用が制限されるため、一部の化学物質のリスクは低いかもしれません。しかし、PFASは環境中に広く存在するため、完全にPFASフリーであるとは限りません。オーガニックだからといって過信せず、バランスの取れた食事を心がけましょう。
Q2: 冷凍保存している母乳パックからPFASが溶け出すことはありますか?
A: 母乳保存用のパックは、食品衛生法に基づいて安全性が確認されています。一般的に、PFASが意図的に使用されている可能性は低いと考えられますが、気になる場合はメーカーに問い合わせるか、ガラス製など他の素材の容器も検討してみてください。
Q3: 特定の地域で採れた魚は避けるべきですか?
A: PFASの汚染が指摘されている特定の地域の水産物については、自治体や専門機関からの情報に注意し、必要に応じて避けることも検討しましょう。しかし、日本の広い海域で獲れる魚全体を避ける必要はありません。様々な種類の魚をバランス良く食べることが大切です。
Q4: どんな調理法がPFASの摂取を減らせますか?
A: PFASはフッ素加工の調理器具から高温で溶け出す可能性が指摘されています。揚げ物や高温での炒め物をフッ素加工のフライパンで行うことは避け、鉄製やステンレス製のものを使うのが良いでしょう。煮る、蒸すといった調理法は、PFASのリスクが比較的低いと考えられます。
Q5: 離乳食の準備で特に気をつけることはありますか?
A: 離乳食の準備でも、大人と同じように、フッ素加工ではない調理器具を使い、新鮮で旬の食材を選ぶことを心がけましょう。また、市販の離乳食を選ぶ際は、原材料や添加物をよく確認し、シンプルなものを選ぶのがおすすめです。
まとめ:ママの直感を信じて、美味しく安全に
毎日の食事は、ママの体を作る大切な源であり、授乳を通して赤ちゃんの健やかな成長を支えるものです。「PFASが気になるから…」と、あれもこれもと制限しすぎて、食事が苦痛になってしまっては本末転倒ですよね。
今日お伝えしたヒントは、すべてを完璧にこなすためのものではありません。例えば、まずはフッ素加工のフライパンを鉄製に替えてみる、週に一度は外食ではなく自炊にする、といった小さなことからで大丈夫です。あなたが「これならできるかも」と感じたことから、一歩踏み出してみてください。
「この食品は大丈夫かな?」「この調理法でいいのかな?」と迷った時は、立ち止まって情報を調べてみたり、信頼できる人に相談してみたりしてください。そして、何よりも大切なのは、赤ちゃんのために美味しく、楽しく食事をすることです。あなたの笑顔が、赤ちゃんの最高の栄養になりますから。あなたの「食べたい」という直感も大切にしながら、安心できる食品を上手に選んで、毎日を美味しく、安全に過ごしてくださいね。