妊娠中は陣痛の痛みや出産がどんなものになるのか、想像もできないと思います。始めてであればとにかく不安でいっぱいだと思います。
私も、出産の痛みは想像もできませんでしたが、痛みは産むときだけで、その後はかわいい赤ちゃんとの生活が待っていると思っていました。
しかし、痛かった出産を終えて、ようやくハッピーな生活が始まると思いきや、お尻が痛くてたまらないのです。
出産時のいきみのとき、肛門が少し切れてしまい、助産師さんから、少し切れているので、もしかしたら後で痛くなるかもしれません。とだけ言われました。
私は妊娠中から切れ痔だったので、薬を塗っていればすぐに治ると思って、はい、分かりました。とだけ軽く返事しました。
どうせ1、2日ほど痛いだけでまた良くなるし、排便のときだけ少し痛むくらいだろうなと思っていたのです。
ところが、産後、特に退院してから便がとても固い状態になり、切れ痔が一気に悪化したのです。
もう、排便のときだけではなく、座っていても横になっていても立っていても、一日中痛くてたまらないのです。
その痛みは、円座を使わないととてもじゃないほど座れず、円座を使ってもジリジリ痛む感じでした。
私は出産の時に会陰切開も行なっていたので、その傷口がまだズキズキ傷んで、排便の時はものすごく怖かったのを覚えています。
裂けるのではないか、糸が取れるのではないか、などと考えては恐怖でいっぱいになり、排便するのが怖くてあまり食事を取らないようにしていました。
そして、母乳育児だったので、毎日体から水分がどんどん足りなくなりカサカサになっていました。
水分補給していたつもりでしたが、母乳をあげているとものすごい量の水分が奪われます。
それで、カチカチの固い便しか出なくなっていたのです。
その状態で排便を繰り返していたので、切れ痔が悪化していたのです。
その事を1ヶ月検診の時に話すと、痔の塗り薬と、便を柔らかくする薬を出してもらいました。
これでやっと安心できる!と思って帰り、早速薬を飲んだり塗ったりしていました。
ですが、痔は一向に良くなる気配が無く、日に日に痛みが増していったのです。
もう、お尻も痛いし、切開したところの痛みも凄いし、はじめての母乳育児で、おっぱいが切れ、身体中痛いとこだらけでした。
正直、出産の痛みも想像を絶する痛みでしたが、数時間で終わったので、産後のトラブルの痛みの方が数ヶ月も続いたので、かなりきつかったです。
そして、始めての出産なので対処法もうまくわからず、ずっとネットで調べて、必死で対策を探したりしました。
それでも日に日に痛みがきつくなり、ついに肛門科を受診することにしました。
正直、痔で受診するのは恥ずかしいと思ったことがありましたが、今となってはこの痛みをどうにかしてくれ、という思いでいっぱいでしたし、人に肛門を見せるのは産科で何度も見せてきたので、あまり恥ずかしさは感じませんでした。
先生は若い男の先生だったので、私が独身であれば恥ずかしくてたまらなかったかもしれませんが、妊娠、出産を経験して痔の痛みを抱えた今となっては全く恥ずかしくなく、この人が痛みから解放してくれるんだ!という期待を寄せていました。
専門の先生に診てもらうことで、かなり詳しく自分の状態を知ることができました。
先生は、便を柔らかくする薬と、痛み止めの薬と、胃を保護するための薬と、塗り薬二種類を出してくれました。
やっぱり専門医の出す薬は違うな、と思い、帰って早速もらった薬を塗ったり飲んだりしました。
そして、便を柔らかくする薬は効果がありました。
排便のときにいきむのが切れ痔には良くないらしく、いきまずにスルッと出せる状態になりました。
しかし、私の切れ痔は思った以上に治りが悪く、薬を塗ってもなかなか良くはなりませんでした。
もらった薬を毎日数回塗って、半月が過ぎた頃、突然お尻が猛烈にかゆくなったのです。
それはもうゴシゴシ掻きたくなるほどのかゆみで排便の後、トイレットペーパーで拭きながら掻き、その後もまだまだかゆくてたまらないので、シャワーで流し、石鹸をつけて洗っていました。それでもかゆくてかゆくてたまらないので、病院に電話しました。
すると、薬に入っているステロイドがかゆみを引き起こしているので、それを使用するのは一旦やめて下さい、との事でした。その薬をやめて2日ほど経つと、かゆみは無くなりました。
やはりステロイドがかゆみを引き起こしていたのです。
でも、ステロイド入りの薬は切れ痔には強い効果を発揮してくれるので、私はしばらくそれを使いたかったのですが、諦めて、もう一種類もらっていたステロイドが入っていない軟膏を1日数回塗ることにしました。
痔が悪化してから、3ヶ月経っても完璧に良くなることはなく、切れては治り、また切れては治りを繰り返していました。
今となって言えることは、水分補給を思っているよりもしっかりとこまめにとることと、乳酸菌が入った飲み物をとることが重要だと分かりました。
母乳育児は、夜中も含めて一日中おっぱいをあげているので、あっという間に水分不足になります。
そして、赤ちゃんのお世話でいっぱいいっぱいになり、つい自分のことを忘れてしまうのです。
もっとこまめに水分をとっていれば、早い段階で痔を悪化させずに済んだと思いますし、水分だけでなく乳酸菌の力で、便をもっと出しやすくすることはできました。
痔は、産後2年経った今も、完璧に良くなってはいませんが、薬を使わずに上手に対処することはできるようになりました。
これから出産を控えている方や、一人目痔で苦しんで、二人目は絶対に気をつけたい、と思っている人に参考になればと思います。