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産後の腹痛ってなぜ起こる?子宮収縮や悪露は大丈夫なの?

ようやく出産が終わったのに、お腹が痛くて・・・。

そんな腹痛に悩まされるママさんが実は多いんです。腹痛といっても様々な原因や様子を見ればいいものから医師に相談しなければならないケースもあるので、不安に感じる方もきっと多いはず。

そこでこのページではそんな産後ママさんの悩みの種となっている腹痛に関して特集していきます。

産後の腹痛の原因はどういったもの?

妊娠すると赤ちゃんを育てるために子宮が大きくなり、胎児へ必要となる栄養をたっぷりと贈るために血液量も増加します。そういった妊娠中の状態が出産によって終わると、妊娠する前の状態に体が戻ろうとしていきます。
そういった体の状態を把握したうえで、産後の風通について考えていこうと思います。
産後に現れる腹痛というのは

  • 後陣痛
  • ストレスや疲労による下痢や便秘
  • 悪露の影響
  • 体に蓄えられた老廃物の影響
  • 子宮脱

これらが原因となっていることが考えられます。

後陣痛

産後の腹痛のほとんどがこの後陣痛だと言われるくらい、腹痛の原因の主なものとしてあげられる後陣痛。子宮が収縮することによって起こるもので、生理痛のような痛みなので勘違いしやすいものでもあります。
痛みの大きさとしては初産の方よりは経産婦さん、そして単胎妊娠よりも多胎妊娠の方のほうが痛みが大きい傾向にあるのですが、これにはもちろん個人差もあります。この傾向としては子宮に蓄積された疲労度や、一度大きくなった子宮を強い力で伸縮させることが必要になるためだと言われています。
体の回復として必要な工程ですので、痛みがつらいと感じると思うでしょうが我慢する必要もあるようです。
どうしても我慢ができないといったような場合はお医者さんから痛みどめを処方してもらったり、相談することが大事になっていきます。

ストレスや疲労による下痢や便秘

産後は想像している以上に忙しく、育児では赤ちゃんは1日8回以上も授乳する場合もあり、また寝ては起きて寝てはおきてを繰り返し、ママは十分な睡眠時間の確保が難しかったりもします。
初めての出産の場合はなれないことが多く、またおむつ交換が上手にできないとか、授乳がうまくいかないなどといった多くのことがストレスや疲労につながりやすい状態になっていきます。
そういったストレスや疲労などから過敏性腸症候群などになって下痢と便秘を繰り返し、ママの身体の中で悪循環の状態が作り出され、そういったことが腹痛へとつながる場合もあります。

悪露の影響

子宮収縮することによって悪露が体外に排出される働きもあるため、その悪露の影響で腹痛になる場合があります。
悪露というのは子宮の中でたまっていた血液や胎児を包んでくれていた卵膜、そして子宮内膜の不要になったものの総称をいいます。
出産が終わったすぐあとは赤色なのですが期間の経過とともに徐々に色味が赤色から茶色、黄色と変化していき、その排出量も減っていきます。最終的には出産が終わってから4週間から6週間くらい悪露は出続け、その後透明なおりものへと変化していきます。
この子宮収縮がうまく働かなかったら悪露は子宮の中で留まり、そこから細菌感染によって激しい腹痛になることがあります。
悪露は嫌だなと感じるかもしれませんが、体の回復の工程だと思えば神秘的に感じられるのではないでしょうか。

体に蓄えられた老廃物の影響

出産というのは中には帝王切開や経産婦の方もおられるでしょう。そういった様々な方がいるように、出産によって負った体のダメージに、傷が開いてしまったらどうしようとか、再び痛みが出てくるのではという不安や心配から便を出すこと自体に不安視する方が多くおられるんです。そういった状態が続くと体の中で便をはじめとした老廃物が排出されずにとどまってしまいます。
また母乳をママの身体では作ろうとして多くの水分が必要となり、水分の補給が不足している状態でも便秘の状態は悪化していき、腹痛へとつながる場合もあります。
妊娠や出産に関係なく多くの方は普段から水分不足だと言われているのですが、妊娠した方はより水分補給が重要になってくるんですね。

子宮脱

子宮脱というのは、お腹の中にいた赤ちゃんが出産によって出てきて、その影響でママの子宮が膣外または膣内に下がってきてしまう状態を言います。
これは妊娠中から産後にかけてママさんの筋肉が衰えたり緩んでいる状態にあるがゆえに骨盤の周囲の筋肉も衰え、さらに骨盤自体も開いている状態なので起こる現象です。

子宮収縮はいつまで続く?

後陣痛が原因となる腹痛の場合、分娩が終わってから2、3日で収まっていくのが一般的といわれているのですが、中には1週間以上も続いてしまう場合もあります。
そして子宮復古と呼ばれる子宮収縮が起こる場合もあるのですが、個人差があるものの産後1か月くらいを目安に腹痛は収まっていくと思います。
ただし、母乳育児をされている方は、母乳を作り出す中で分泌されるオキシトシンというホルモンの影響で後陣痛の痛みが増す場合もあります。オキシトシンは子宮収縮を促す働きがあるため痛みが増すという仕組みなのですが、これも体を回復させようとする自然の働きなのであまり不安に感じてストレスになるというのは避けるといいですよ。

出産後後陣痛による腹痛が1か月以上続く場合
ここまでで子宮収縮による後陣痛は基本的に産後1か月以内で収まると説明してきたのですが、中には産後1か月以上も継続して腹痛で苦しんでしまったという方もおられます。
これは子宮収縮が上手に行われていない「子宮復古不全」という可能性があります。
子宮復古不全というのは、子宮の胎盤や卵膜などの一部が体内に残ってしまったり、悪露が排出されずにたまってしまうことで起こる現象です。
また子宮内感染や子宮筋腫などの炎症や、子宮奇形などでも引き起こされ、これらは産後1か月を超えても悪露や出血が続くという兆候があります。
このような場合は1か月検診などで医師に相談したり、それでも不安な場合は個別に病院で診察されるといいと思います。
これら以外にもホルモンバランスの変化や様々な理由で腹痛は起こり得るので、自己判断より医師のもとで相談されることが大切になります。

子宮収縮の場合の対応策

産後の腹痛でやはり大切なのが医師への相談だと説明したのですが、些細なことから腹痛の対応策を考えてみようと思います。

  • 十分な休息をとる
  • 体を温めるようにする
  • 食生活に気を遣う

当たり前のようなことですが、こういったことがとても重要になってきます。
わたし自身も産後の忙しさやストレスなどで、気を付けることもちゃんとできていなかったという経験もあり、この記事を読んでくださった方がほんの少しでもこういったことに気をかけてくださるとよりよい産後を迎えられると思います。

勉強が苦手でも、ちょっとしたことで先生や親に注意された際に、しょうがないから少し真面目にやろうかと動いた方は長い間を見ると大きな差が生まれてくるのと同じ原理ですw

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