みなさんは子供のお弁当をどのくらいの力量で作っていますか?
最近ではインスタなどでもキャラ弁などが人気になったりしていますよね。キャラ弁が特異な方々もSNSだけではなく、テレビなどでも紹介されたりすることでより認知度も上がり、その分、子供たちからキャラ弁を作ってほしいと言われ悩んだママさんもきっとたくさんいることでしょう。
今回取り上げる絵本は、「きょうのおべんとうなんだろな」です。
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子どもにとってはお弁当は楽しみの時間でもあり、親からの愛情を感じる瞬間でもあります。
そんな私自身は、中学校の頃、教員をしていて時間のない母親から渡されたお弁当箱に500円玉が入っていたという斬新なお弁当で学校中で話題になってしまいました。
もちろん普段は忙しい中でもちゃんと作ってくれて、見た目は可愛くはないけれどおいしいお弁当を作ってくれる素敵な母親です。(←フォロー!)
今回は絵本のコーナーなので、まだ子供へのお弁当は早いよと感じているママさんもいると思います。
しかし、子供の成長はあっという間に大きくなっていき、今にお弁当を作るときも来ますよ。
どんなお弁当でもママの愛情たっぷりにしてあげるためにも、小さなころからお弁当について絵本で知っていくのも面白いと思います。
今回の絵本、どんな素敵なストーリーが詰まっているのでしょうか。
きょうのおべんとうなんだろなってどんな絵本?
作:岸田衿子
絵:山脇百合子
出版社:福音館書店
発行日:1994年03月
お弁当を作ってもらって、ふたを開ける瞬間のワクワク感。自分の好きな鉱物が入っていた時のうれしさ。
子どものころに感じる素直な気持ちでのそういった想いに、私達大人は何かを忘れてはいないでしょうか。
今回紹介する「きょうのおべんとうなんだろな」という絵本は、子供と動物たちが一緒にお昼にお弁当を食べます。
うさぎさんや象さん、りすさん、くまさんなどたくさんの動物が好きなものが入っているお弁当。
どの動物がどういった食べ物が好きなのかをあてっこしたり、食べるときのもぐもぐなどの音も子供が喜びそうなところが短いストーリーの中に詰まっています。
きょうのおべんとうなんだろなを読み聞かせした方の口コミ
『きょうのおべんとうなんだろうな』には、色々な動物のキャラクターが登場します。人間の男の子のお弁当は想像がつきますが、大きなゾウや小さな虫のお弁当は一体どんなものが入っているのかと、お弁当の中身を考えて、子供と一緒にワクワクした気持ちになることができる絵本です。作者は岸田衿子さん、絵は岸田衿子さんとのコンビ作品も多く、『ぐりとぐら』の絵でおなじみの山脇百合子さんが描いています。
この絵本のあらすじは人間や動物、虫が原っぱで仲良く遊んでいる場面から始まります。たくさん遊んでおなかが空いたキャラクターたちは、みんなでお弁当を食べることにします。大きな包みの中にみんなのお弁当が入っていて、「ぼくのは?」「わたしのは?」と待ちきれない様子でお弁当を取りに行くシーンでは、みんなのワクワク感が伝わってきます。
ここからはお待ちかねのお弁当タイム。それぞれがお弁の中身を想像して、わいわい盛り上がっているシーンが続きます。最後のキャラクターであるゾウがお弁当を開けたあと、みんなでお弁当を食べ始めます。広い原っぱにお弁当を広げて、色々な友達と一緒に楽しそうにお弁当を食べるシーンで、おはなしは終わります。
『きょうのおべんとうなんだろな』のおすすめしたいところは、山脇百合子さんが描く可愛らしいイラストと、岸田衿子さんが作り上げるワクワク感です。山脇さんのキャラクターたちはどこか懐かしいような印象を受ける、可愛らしい表情をしており、優しい色使いで描かれています。キャラクターたちのお弁当も素朴でありながら、とても美味しそうに描かれています。
お弁当の中身を見て「なるほど!」と思うお弁当の中身もあれば、「おしゃれなお弁当だな。」とびっくりするようなお弁当もあります。
例えば、姉妹なのか色違いのワンピースを着た2匹のうさぎのお弁当。小さなバスケットの中ににんじんと、キャベツとりんごのサラダが入ったお弁当を持ってきていました。お弁当箱ではなくてバスケットというのがとってもおしゃれです。くまのお弁当もハチミツとパン、お弁当箱ではなくてカゴバッグというのが、オトナ顔負けのおしゃれピクニックのようです。
この絵本自体、文章が少なく、キャラクター同士の会話も1ページに1、2文ほどです。それだけ少ない文章で、キャラクターたちのワクワク感や喜びを表わせているのは、岸田さんの言葉の選び方が上手いからだと感じます。また短い文章やセリフだからこそ、小さな子供にも内容が伝わりやすいのです。
この絵本の対象年齢は2歳から4歳となっています。
2歳半の上の子供は本を読むと、キャラクターたちと一緒になって「おべんとうなにかなー??」と夢中になってお話を聞きます。自分の好きな食べ物が出てくると大喜び。好きな食べ物のイラストを指差しては、嬉しそうに教えてくれます。8ヶ月の下の子は絵本をしゃぶろうとつかみかかってくることもありますが、かわいらしいキャラクターが現れると、ニッコリ笑ってお話を聞いてくれます。赤ちゃんでも上の子と一緒に楽しむ事ができるのは、短い文章で次々とページが変わり、おはなしが読み進められることと、優しい色合いの可愛らしいキャラクターが登場するからでしょう。
この絵本に描かれている、友達と一緒に天気の良い日にお弁当を食べるということは、子供にとっては非日常的で、ワクワクする楽しい出来事です。読んでいる自分も、「遠足で動物園に行ってお弁当食べたな。」とか、「友達とお弁当見せあっこして、オカズの交換もしたっけ。」なんて、みんなでお弁当を食べたことを懐かしく思い出しました。この絵本を読むことで、友達とピクニックした経験がある子は楽しかったピクニックの追体験ができますし、まだ友達とピクニックしたことがないこどもは、ピクニックやお弁当って何なのか知ることができます。
絵本を読んでいると、こどもが自分の思ったことを伝えようとおはなしを中断することがよくあるのですが、長い文章や文章のボリュームが多い絵本だと、読んでいる方も必死になってしまい、「ちょっと待って!」の一言でこどもを遮ってしまうことが多々あります。この絵本は短くてシンプルな内容だからこそ、途中でもお話を中断して、こどもの反応をみることができます。また、キャラクターやお弁当について、色々話を膨らませて親子で楽しむこともできます。親子で楽しむ絵本として、『今日のおべんとうなんだろな』はおすすめの一冊です。
まとめ
お弁当に関する絵本は他にもたくさんあるし、家族や仲間と食事をするシーンのある絵本もたくさんあります。
誰かと一緒に食事をするということは、当たり前のことですが素敵なことです。
しかし、今は共働きの家庭も増えているし、ワンオペ家庭も増えています。
絵本を読むような小さな子供が成長していく中で、一人で食事をするようなことも現実としてはあるかもしれません。
だからこそ小さなうちから絵本や食事など目いっぱいの愛情を注いであげたいものです。