"現在1歳3カ月の息子を育てています。私は元々どちらかというと心配性な性格だったのですが、産後それに拍車がかかり、ずっと神経を研ぎ澄ませ続けていたように思います。
そんな中で、新生児期に一番神経を使っていたのが赤ちゃんのおっぱいとミルクの吐き戻しでした。
新生児の赤ちゃんってまだまだ胃がとっくり型で、本当に良く吐き戻します。うちの息子は特に吐き戻しが多くて、しっかりゲップもさせたはずなのに横にしてちょっとするとタラーっと口から白いものが…。慌てて抱き起こしてミルクをふく。これで大丈夫と思ってまた布団に寝かせる。しばらくするとまた口から白い物が…。の繰り返し。ただ口から出るだけならいいのですが、心配なのが、吐き戻したもので窒息してしまうこと。
妊娠、出産、育児通してネットの体験談沢山読みますよね。私は読みました。その中に書いてあるんですよ、吐き戻しを詰まらせて赤ちゃんが真っ青になった事件。それを読んだ日から、吐き戻しの恐怖が24時間ずっと私の頭の中を支配し、赤ちゃんが起きていようが寝ていようが、早朝だろうが深夜だろうが何度も赤ちゃんの顔を覗き込む毎日。
そんな心配を少しでも取り除こうとネットに書いてあった対策法を片っ端から試しました。
まず試したのは寝かせるときに頭を高めにすること。うちにはバウンサーがあったので、おっぱいやミルクを飲ませてすぐは、少しリクライニングを上げてバウンサーに寝かせていました。そうしていてもしょっちゅうテローンと吐き戻していたので、頭高くしておいて良かった…と胸をなでおろし、気づくと日中のほとんどの時間をバウンサーの上で過ごさせていました。しかしこれが後々後悔することにつながるのですがとりあえずそのことはおいておきます。
日中は頭を高くすることで安心をてにしていたのですが、問題は夜中。さすがに寝ている時までバウンサーに入れっぱなしなのは身体に悪そうだったので、またまたネットから仕入れた知識で赤ちゃんの身体を横向にして寝かせることにしました。もし吐き戻しても喉に流れていかないようにするためです。これ、最初はいいんですが、赤ちゃんって動くんですよね。新生児なんて動かなそうなのになんか気づくと仰向けになっているんです。ちょっとウトウトしたあと仰向けになっているのに気づいて慌ててまた横にする。またウトウトする。仰向けになっている。横にする。の繰り返し。寝れません。動かないように赤ちゃんの背中の方にタオルを入れて固定するやり方も試したのですが、気づくと何故か仰向けになっているんです。
これはいけないと思った私は、最終的に究極な方法にたどり着きます。それは、飲ませたあと、30分縦抱きにすること。どうやら30分ほどすると飲んだものが落ち着いてくるらしいと知った私は、夜中授乳したあと30分縦抱きし、それから寝かせていたんです。しんどかったです。ただでさえ寝不足なのに。でもそれをすることで得られる安心感の方が大切だったんです。
そうやって日中はバウンサーにのせ、夜中は縦抱きにして吐き戻しを防止し続ける毎日。そんな日々を繰り返しながら月日は流れ、4カ月位になると吐き戻しも落ち着いてきました。
やっと吐き戻しの恐怖から解放されてほっとしていた矢先、新たな問題が発生するのです。
日中をほぼバウンサーで過ごしていた息子は、適齢期が来ても一向に寝返りをしませんでした。それどころか手足をウニョウニョ動かす程度で全然身体をひねらせることもありません。どうやらバウンサーという狭い中に閉じ込められていたことと、頭を高くされていたので、自分で動かなくとも視界は良好だったためか、自発的に動くということをあまりしない身体動かすの嫌いベビーになってしまっていたのです。
そのことに気づいてからはバウンサーは即撤去。うつ伏せ寝をやらさてみたり身体を横にしてみたりするものの一向に動く様子はなく、うつ伏せの体勢も大嫌いでギャン泣き。結局やっと寝返りが出来るようになったのが8カ月でした。
そんな息子も今は1歳3カ月。なんだかんだ身体を動かすのが嫌いなのか運動発達は遅れ気味でしたが、今や自分の足でしっかり歩けるようになっています。
今、あの頃のことを振り返ると、なんであんなに吐き戻しのことに神経をすり減らし、自分の睡眠時間も削り、ひたすらに息子の監視をしつづけていたのか不思議に思いますが、産後って赤ちゃんを守るためならばなんだってするっていう気持ちになってしまうんです。 首も座らずへにゃへにゃで抱っこするのにもドキドキしてしまうようなか弱い生き物を守るために。
これは母親の本能的なものなのかもしれませんね。
きっと世の中のお母さん達の大多数は、一度はちゃんと息してるかなって赤ちゃんの顔を覗き込んだ経験があると思います。
渦中にいる間はそんな日々が永遠に長く続くような気がしますが、振り返れば本当にあっという間に過ぎてしまう貴重な時間。
今思うと、そうやって心配したり不安に思ったからこそ、小さな成長が本当に嬉しく、息子が今日も元気でいてくれることの有難さを感じることができるのだろうなと思います。