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我が子が泣きやむとっておきのオモチャは…

子供が小さい頃、子育てに悩んだ出来事がたくさんあります。
しかし子供が大きくなった今になってみると、そんなに大した事ではない事も多かったような気がします。

私がとても悩んだのが、外出中に赤ちゃんが泣きだしてしまうという事でした。
電車やスーパー、そして散歩中。
泣きだしてしまうと、「どうして我が子が泣いているか?」ではなく、「周りにうるさいと思われたらどうしよう…。」という事ばかりを気にしていました。

そして、我が子が泣かないようにと色々な事を試みました。
ベビーカーに面白いオモチャをつけてみたり、おやつを与えたりと…。

でも赤ちゃんは気まぐれで、「これで大丈夫だ!」と思った物でも、また泣き出してしまうのです。

当時は”なぜ泣いているのか?”と言う原因を、私はしっかりと考えていなかったのだと思います。

ところが…そんな我が子が唯一どんな時でも、ほぼ泣きやむものがありました。

それは、夫が大切にしている本でした。

趣味で読んでいた本なのですが、読みこんであるのでキレイとは言えず、しかも紙の素材も上質紙ではなく、わら半紙のような素材でした。

なぜその本が気に入ったのかよくわかりませんが、その本を持たせると泣きやむのです。

最初にその本を我が子が手にしていた時は、私もビックリしてしまいました。

決して赤ちゃんが読むような本ではないし、我が子は読むつもりもないのですが、持っていると落ち着くのでしょうか…。
なにか心地よい匂いでもあるのでしょうか。

その本を持たせると泣きやむので、ついつい利用していました。

しばらくして、その事を夫が知る時がきました。
夫が帰ってきて、その本を見てキョトンとしていたのです。

本の角はかなりフニャフニャな状態。
しかも所々、中の紙も折れているようなところもあるし…。
夫は大切に読んできたはずなのに、一気に何十年も使っている本のようになっています。

夫はとてもがっかりしていたのですが、理由が理由だけに夫に話しました。
そしたら夫も可愛い我が子なので仕方ないと思ったようです。

その後、夫の大切な本は、我が子のオモチャとして提供されました。(笑)

それ以来、外出をする時は必ず持ち歩くようにしてみると、おとなしく過ごすようになったのです。
おかげで泣く事を気にせずに外出できるようになりました。

夫の大切にしていた本は、その頃の私にとってはありがたい一冊です。

しかし今考えると、赤ちゃんの泣き声はそんなに大きいものではないので、そんなに気にする必要もなかったと思います。
「周りに迷惑なんじゃ…。」と私が気にしすぎる事で、泣き声に敏感になり過ぎていたのかもしれないと今では思えるようになりました。

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