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産後授乳中の激しい食欲or食欲不振との向き合い方

産後の食欲増加は、産後に体型戻しをしようと思っているママさんにとっては、我慢しないといけないものだと感じていませんか?

実は、産後の子育て中の食欲は無理に我慢してはいけないんです。

もちろん、我慢するのが良くないからと言って、食欲に任せて好きなものを好きなだけ食べるのは身体のために良くありませんし、ホルモンバランスの変化によって味が濃いめで塩分も多めのものをたくさん食べるのも良くありません。

ですが、赤ちゃんと自分のために健康的なものを食べるようにするという意識さえ持っていれば、特別な我慢は必要ないんです。

このページでは、産後の食欲を無理な我慢で抑え込まずに産後のダイエットにつなげるコツを一緒に考えて行きたいと思います。

産後の授乳期の食欲の理由

『産後の授乳期の食欲は、赤ちゃんへの授乳のために栄養不足になってしまいがちな身体が栄養を求めているものです。』

また、ホルモンバランスが元に戻ろうとしている事や、産後の身体の回復が自分が思っているより進んでいない可能性もあります。

こういった理由があるために、産後は食欲が増加してしまうんですよ。

そしてもう1つの理由としては、授乳間隔が短いためにどうしても睡眠不足や疲れがたまり、これも産後の身体のダメージになるので、身体が栄養を欲する事になります。

このような理由が背景にあるため、産後の体型戻しやダイエットで体重を減らしたいと思っていても無理をしてはいけないんです。

産後の食欲を無理に我慢すると・・・

産後の授乳期に太ってしまうからと無理に食欲を我慢すると、いろいろな弊害が生じる恐れがあります。

・母乳の出や質が悪くなる
・身体の回復のために必要な栄養が不足する
・睡眠不足で疲れている身体を癒す事が出来なくなる
・精神的なストレスもたまってしまう

母乳の出や質は、身体の栄養状態やホルモンバランスに支えられています。

ホルモンバランスについては、授乳中に分泌されるオキシトシンという物質が母乳の出を支えています。

しかしながら、このオキシトシンも無限に分泌される物ではありません。

ママさんの身体の栄養状態が悪くなったり、水分不足になったり、血液の質が悪くなって貧血気味になると、ママさんの身体を守るために分泌が止まってしまうんですよ。

もう1つは、母乳自体は止まらなくても、赤ちゃんの成長に必要な栄養が入っていないという事も起こる可能性があります。

産後から数ヶ月経ち、悪露などの産褥の症状自体は終わっていても、身体の回復は思ったほど進んでいない場合もあります。

ここで言う『身体の回復』は、出産で使い果たした体力全体の回復を指してしますが、平常時でも疲れがたまっていたり体調が悪かったりすると、聞き流せる言葉が聞き流せなかったりもします。

ただでさえ、授乳中の睡眠不足などで疲れがたまりやすい条件が揃っているところに身体のダメージが抜けきっていないと、赤ちゃんに対して授乳やお世話をしていても、それ以外のコミュニケーションが出来なかったり、旦那さんと些細なことでケンカになり赤ちゃんに怖い思いをさせてしまう可能性も。

このような理由が考えられるため、産後の授乳期の食欲を無理に我慢してはいけないんですね。

産後に食欲が止まらないのは“ホルモンの働き”が関係しています

「食欲が止まらない…」と感じるのは、意志が弱いからではありません。
実は、ホルモンバランスの変化授乳によるエネルギー消費が大きく関係しています。

授乳中のママの体は、母乳を作るために1日あたり約500〜800kcalを消費すると言われています(出典:日本産科婦人科学会「母乳育児支援ガイドライン2023」)。
体はそのエネルギーを補おうとして、自然と食欲が増すのです。

また、出産後はプロラクチン(母乳を分泌させるホルモン)の分泌が盛んになり、同時にストレスホルモンのコルチゾールも増加傾向に。
この2つのホルモンが「空腹感」や「甘いもの欲求」を刺激すると考えられています。

つまり、食欲が止まらないのは“体の自然な反応”。
我慢するよりも、バランスよく満たしてあげることが、産後回復を早めるカギになります。

食欲に任せて食べて良いもの

産後の授乳期の食欲を我慢するのは、いろいろな危険性がある事がわかって頂けたかと思います。

ですが、実際には『産後の体型戻し』も同時に行えるようにしたいですよね。

食欲に任せて食べたとしてもカロリーや糖質を気にせずに済むものなら、体型戻しへの影響を考えずに思う存分食べる事が出来ます。
食欲に任せて食べたとしても太りにくい食べ物として代表的なものは

・寒天ゼリー
・お豆腐
・春雨

これらの食材は非常に低カロリーで、寒天ゼリーに至っては黒蜜などのかけるタレによるもの以外は、ほぼ『ゼロカロリー』で、尚且つ糖質もありません。

寒天を食べる時は黒蜜をかけると『お砂糖よりはヘルシーなイメージ』がありますが、それでも大さじ1杯で、約50kcalありますので(ちなみに白砂糖は約70kcal)かけ過ぎには注意したいところです。

ただし、自分でオレンジ果汁を加えて、棒寒天から煮溶かして作った寒天ゼリーなどはさっぱりしていて程よく味も付けられますからおすすめですよ♪

お豆腐も、とても低カロリーなのはご存じの通りです。

絹ごし豆腐一丁のカロリーは、約60kcal弱。

木綿豆腐のカロリーは、一丁で約70kcalと、どちらを食べても低カロリーで、食欲に任せて食べても大丈夫です。

ただし、お醤油をかける量など味付けは控えめにしましょう。

これは、カロリー面の心配もあるのですが、それよりも『塩分過剰』になると『むくみの原因』になってしまうからです。

また、同じお豆腐の仲間でも『タレ付きのたまご豆腐』などは、一気にカロリーが跳ね上がり、一丁で約160kcalになってしまいますので注意が必要です。

春雨も手軽で、近所のスーパーでも手に入れられる食材です。

麻婆春雨や春雨スープなどのファーストフードも人気ですよね。

ですが、こちらも春雨自体にはカロリーはありませんがスープにしても薄味に注意しておいた方が無難です。

出来る限りヘルシーな食材をヘルシーな調理法をいただくのが産後の食欲を我慢する必要のない食べ物のポイントですね。

食欲を我慢しないための食べ方のコツ

食欲を我慢しないためには『ヘルシーな食材選び』も大切ですが、基本的にはパンやごはん、野菜やお肉・お魚など、いろいろ食材をバランス良く食べて栄養補給をまんべんなく出来るようにしたいところです。

ですが、やはり気になるのは『食べ過ぎ』ですよね。

そこで、食欲を我慢せずに尚且つ食べ過ぎも予防する『食べ方のコツ』があるんですよ。

その食べ方のコツは

・野菜から先に食べる『食べ順』を意識する
・一口の量を少し控えめにしてたくさん噛む

この2つの食べ方のコツを実践すると良いでしょう。

また、先ほど登場したパンやごはんなどの炭水化物ですが、食べ過ぎが怖い場合は、ご飯なら玄米に切り替えると良いでしょう。

そして、パンが好きな方の場合は食べ過ぎを防ぐために『フランスパン』にすると良いでしょう。

フランスパンはバターやお砂糖が使われていないためカロリーが低いですし、固いので『自然とたくさん噛むクセが付く』というメリットもあります。

産後の体型戻しに効く短時間運動

産後の体型戻しのために、スポーツジムなどに通う方もおられますが、授乳期で赤ちゃんが小さいと時間を作るのも無理な方がほとんどではないかと思います。

ウォーキングも赤ちゃんを抱っこしながら行うのは難しいので、自宅でNHKの『ラジオ体操』などを行うと良いでしょう。

ラジオ体操なら、NHKの総合『NHK-G』やNHK教育テレビの『NHK-Eテレ』などで、毎日放送されていますので、時間の都合でタイミングが合わない時は録画をしておいたり、YouTubeなどで動画を見ながら行うのも良いでしょう。

ラジオ体操の第一と第二の両方を合わせても5~6分で終わりますので、わずかな『すき間時間』にも手軽に行えます。

産後に食欲不振になることもある

産後の授乳期間は特に、授乳による激しいカロリー消費が行われるため食欲がある状態が通常だと言われています。
そうであるにもかかわらず全然食欲がわかずに、栄養の偏りを心配しているままさんもたくさんいらっしゃいます。
そんな状態の原因や対策方法について、簡単にお話ししたいと思います。

産後の食欲不振は疲れ、産後うつが原因かも・・・対策方法は?

産後の慣れない育児生活による肉体的な疲れや、精神的なストレスなどが食欲不振の原因になっていることがあります。
基本的には、精神的な疲れを感じている、または肉体的な疲れを感じているとどちらを自覚しているかで判断していきますが、中には自分が肉体的に疲れていることを気づいていない方もいらっしゃいます。どちらかわからないときは、肉体的な部分、精神的な部分の両方が原因になっていることもありますので、とにかく心身ともに少しでもゆっくりする時間を作ることが大切です。

いろいろ試したけどダメだった場合どうすれば良い?

試行錯誤してセルフケアを行った結果、それでも食欲が回復しないと言う場合は、完全母乳育児からミルク育児に切り替えるのも1つの手段です。

日本国内では、いまだにミルク育児に対する抵抗や偏見が一部残っている部分があるようですが、海外に視野を広げると、当たり前のように哺乳瓶でミルクを与えているママさんがたくさんいらっしゃいます。
中には、周りの目が気になるので私はこのまま母乳育児を行いたい。
と言う意見の方もいらっしゃるのですが、確かに母乳で育てるのも素晴らしいことです。
かといってミルクで育てることが恥ずかしいことでもありませんので、あなたの状況に合わせてベストな手段を選択することが何よりも大切です。

よくある質問(Q&A)

Q1:授乳中に食欲が止まらないのは普通ですか?
A:はい、自然なことです。母乳を作るためにカロリー消費が増えるため、空腹を感じやすくなります。
無理に我慢せず、栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。
Q2:甘いものがやめられません。どうすればいいですか?
A:甘いものを完全に禁止する必要はありません。
代わりにフルーツやドライデーツなど“自然の甘み”を取り入れると満足感が高まります。
Q3:夜中にお腹が空いたときは食べてもいい?
A:軽めのスープやおにぎり1個程度ならOK。
体が回復中なので、我慢よりも「体調を整える食事」を優先しましょう。
Q4:授乳中の食欲はいつ落ち着きますか?
A:個人差がありますが、授乳が減る生後6〜9か月頃から徐々に落ち着く人が多いです。

💡ポイント:
「食べすぎ=悪」ではなく、体の回復サインを読み取ってうまく付き合うことが大切です。

実際に「食欲が止まらなかった」ママたちの声

産後の食欲に悩んだのは、あなただけではありません。
ここでは、実際に“止まらない食欲”を経験したママたちのリアルな声をご紹介します。

  • 「授乳期はお腹が空いて仕方なかった」
    「1日中食べている気がして焦っていたけど、助産師さんに“母乳を作るエネルギーだから大丈夫”と言われて安心しました。」(30代・初産ママ)
  • 「甘いものを我慢したらイライラ…」
    「ストレスが溜まって逆に夜食をドカ食いしてしまいました。
    今は間食にナッツやヨーグルトを取り入れて、気持ちも落ち着いています。」(20代・1児ママ)
  • 「夫と協力して“夜食ルール”を作りました」
    「夜中の授乳でお腹が空くので、夜は軽いおにぎり1個と味噌汁に。
    翌朝の疲れも減って、夫も理解してくれました。」(30代・共働きママ)
  • 「1年後には自然に落ち着いた」
    「離乳食が始まり、授乳回数が減るにつれて食欲も落ち着いてきました。
    今は“よく食べて、よく笑う”がモットーです。」(40代・2児ママ)

🌸 まとめ:
多くのママが「食欲は一時的なもの」と感じています。
焦らず、心と体の声に耳を傾けながら、少しずつ自分のペースを取り戻していきましょう。

まとめ

産後の食欲を我慢せずに体型戻しを行うコツをご紹介して来ました。いかがでしたでしょうか。

・産後の食欲は我慢してはいけない
・ヘルシーな食材でヘルシーな食べ方をする
・すき間時間でも行えるラジオ体操などを利用する

大きく分けてこの3つのコツがありました。

このようなポイントを根気よく実践して行けば、少しずつかも知れませんが、必ず『産後ダイエット』の効果が出てきます。

無理に食欲を我慢するのは、自分自身の心と身体の両方だけではなく、それが赤ちゃんに影響を与えるため決して良い事ではありません。

少しずつ、出来る範囲から食生活や軽い適度な運動を取り入れてキレイな産後ママを目指して行きましょう!

  • B!