絵本トイレロケット

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子供に読んであげたい絵本

トイレロケット│宇宙とトイレの重要性

みなさんは子供のころに何の職業になりたいと思っていましたか?
または、お子様がいる家庭ではその子の夢がどんな職業なのかを聞いたことはありますか?

今回紹介したい絵本は、トイレロケットというはっとりひろきさんの作品。

 

トイレとロケットという異色のコラボを想像力豊かな子供の感性を爆発させた作品です。
少し前までは宇宙飛行士は小学生の鳴りたい夢のランキングに入るくらい人気の職業でした。
アポロ計画など、テレビで知った子供たちは宇宙に対して夢を膨らませてわくわくしたものです。

今現在でも全国各地で宇宙のことに身近に感じれる施設はたくさんあるのですが、現在の子供たちは環境や経済状況もあって昔となりたい職業がかなり変化しています。

一方であまり宇宙のことに触れていないという子供も多くなっています。
子どもは想像力や発想力が大人がびっくりするくらい発達するものなので、宇宙に触れる機会にもなる今回紹介するトイレロケットを、そのきっかけとして読み聞かせしてあげるのもありだと思います。

絵本は左右のページが同時に読者の視界に入り、ページの並びに沿ってストーリーが展開するのが一般的です。ところが左右のページで異なるストーリーが進む面白い絵本が登場したので紹介します。

『トイレロケット』はこんな絵本

その作品は『トイレロケット』(はっとりひろき 講談社 2019)。

本文を開くと左右のページの真ん中を対称としてそれぞれ枠で囲まれた2枚の絵が目に入ります。左ページの枠の中には男の子がトイレに行く様子をお母さんが見送る様子が、右ページの枠の中には宇宙飛行士が飛行場の職員に見送られる様子が描かれています。また、男の子が便器に座っておならをしようとしている左ページの横には、宇宙飛行士がロケットの発射ボタンを押そうとしています。

つまり、一貫して左ページにはトイレを利用する男の子のお話、右ページには宇宙飛行士がロケットに搭乗して宇宙に飛び立つまでの異なるお話が進み、現実の世界と空想の世界を行き来しながら読むことができる作品となっています。

左右のページで異なるお話が進む多層構造の絵本とは

このように左右のページを対比する絵本はポストモダンの絵本とも呼ばれ、代表的な作品は『なみにきをつけて、シャーリー』(ジョン・バーニンガム:作 辺見まさなお:訳 ほるぷ出版 2004)がよく知られています。この作品は多くの絵本研究の対象として取り上げられてきました。『トイレロケット』と同じように枠を使い、現実と空想の世界を行き来できる作品です。

また海外には『Black and White』(David Macaulay Houghton Mifflin Company 1990 未邦訳)という左右のページに4画面が展開される複雑な絵本も登場しています。この作品は巻頭扉に「いくつかのお話が含まれいるかもしれないし、一つのお話かもしれない」と注意書きが掲載されていて、読者の期待感をさらに盛り上げていく仕掛けまで施されています。

ここに注目!『トイレロケット』

『トイレロケット』も多層構造を採用し、左右の絵を同じ大きさの枠で囲むことで並べて表示される絵が異なる世界であることを暗示しています。そして左右の世界が息を合わせたように同時に進行していくところがこの作品の最大の魅力です。それぞれの「発射」までの緊張感の高まりが、場面の切り取り、アングル、厳選された短い文章で臨場感たっぷりに表現されているところが見どころ。「発射」の後は対位的に描かれてきた枠が外され、安堵した男の子と小宇宙にも見える水洗の様子が左右の紙面いっぱいに描かれていて、無事に「帰還」するのです。

著者のはっとりひろきは『いっぺん やって みたかってん』(講談社 2018)で2017年第39回講談社絵本新人賞を受賞し、本作がデビュー2作目の新人です。言ってしまえば「トイレでうんちをする」だけのお話なのですが、それを宇宙へ飛び立つロケットに準える想像力、絵本の特性を活かした表現技術を用いる制作力など、今後の作品に期待したい作家です。

『トイレロケット』は大人も楽しめます

子どものトイレトレーニングの一助となる絵本とも受け取れますが、この作品ならではの絵本構造を意識して読んでみると大人も楽しめる作品です。

今まさにおならをしようとしている男の子の必死の表情を見ながらロケットの中で発射ボタンを押そうとしている宇宙飛行士の心境や表情などを想像してみると、親子でこの作品を楽しめるのではないでしょうか。

子供を寝かしつけるママ

子どものなりたい職業ランキングの変化について

冒頭でも触れたのですが、昔と今とではなりたい職業が変化して当然です。時代は変わっていくものなので当たり前なのですが、その中でもやはり子供の感性を大事にしてくもらいたいという意味で将来を夢いっぱいに考えてもらいたいものです。

なりたい職業がないという子供もいるのですが、子供の将来は無限の可能性を持っていてほしいもの。
将来のことを考える際に、様々な体験や知識をたっぷりと経験して、その中で自分の将来について考えるものなので、今回紹介したトイレロケットなどの絵本もたくさん読み聞かせしてあげたいものです。

2018年の小学生の将来なりたい職業ランキング

参照 日本FP協会 小学生「将来なりたい職業」集計結果

 

現在の小学生のなりたい職業ランキングを日本FP協会で調査されたデータを見てみると、野球選手やサッカー選手、医師や看護師、保育士や教師などとても現実的なものが多いのと、ユーチューバーや美容師、獣医、助産師さんなど最近らしいなと感じるものもあり、このランキングにもみなさま多くの感じる部分があるのではないでしょうか。

データは2018年に集計したもので、カッコ内が前回、つまり2017年の順位となっています。
将来の夢というのは子供らしいものやとても堅く現実的なものまでたくさんあると思います。そして年齢や友人関係、環境など様々な要因で変化するものだと思いますが、わたしたち大人はそいった子供の将来という夢を描けるサポートをしてあげたいものです。

トイレの重要性とアメリカのアポロ計画でアポロ13号が月に行ったことなどを一緒に話したりすることも、このトイレロケットを読み聞かせするうえで楽しいコミュニケーションになると思いますよ。

子どもと一緒に宇宙に夢をはせてみたり、トイレの重要性を話し合ってみてトイレトレーニングを考えさせたり、それらの先にある将来の夢について話し合う・・・絵本の読み聞かせの先には無限の夢が広がりそうですよね。

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