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みなまた海のこえ

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子供に読んであげたい絵本

絵本シリーズ13弾│みなまた海のこえ

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絵本というのは子供と読み聞かせをする大人に体験を通じて様々なものを与えてくれます。楽しい絵本、可愛い絵本、素敵な絵本、いろんな絵本があり子供も大人も楽しめるものがたくさんあります。

今回紹介したい絵本というのはそのようなものではなく、対象年齢が少し高い考えさせられる絵本です。タイトルはみなまた海のこえ。そうまさに大人のための絵本です。先に言っておくと、この絵本は一度は皆さんに読んでもらいたい、そして考えてもらいたい内容なんですね。
絵本みなまた海のこえ

みなまた海のこえってどんな絵本?

作:石牟礼道子
絵:丸木 俊、丸木 位里(夫妻)
出版社:小峰書店
発行日:1982年07月

絵本は決して楽しいものばかりではありません。しかし、楽しくなくとも考えさせられたり、これは読んでおかねばと感じるものもたくさんあります。

このみなまた海のこえもそういった絵本で、公害の問題を提起しています。私たちの年代からしたらみなまた病の問題などは小さな子供のころに多少聞いたことがあるとか、生まれていないころだからあまり知らないというような人も多いのではないでしょうか。

内容は大人向けではありますが、お子さんと一緒に考える、そしてその子が大きくなってきたら再び読んでみるということがいいかもしれません。

みなまた海のこえの1シーン

みなまた海のこえを読み聞かせした方の体験談

この絵本は、読んだ後、すぐに次の行動が出来なくなるような、ガンと脳みそを殴られたようなショックが残ります。じっと、絵本の内容について考え込んでしまうような。
豊かだった水俣の海が、チッソという会社の工場から出る水銀で汚染され、生き物が、人が、次々に亡くなっていく様子を、語り口調の方言で書いてあります。この言葉遣いも、読後しばらく読み手の心にとどまって、グルグルと渦を巻きます。
さて、この絵本は魚や貝の方言の名が美しいです。この世に姿を見せぬもの達の存在も名も、実に美しい。
どんなに豊かな土地であったか、色彩にあふれた水俣が「ヒロシマのピカ」でおなじみ、丸木俊、位里夫妻によって描かれている絵も美しいです。
多くの美しい景色が紡がれている前半。
目に見えないもの達をはっきりと意識し、人々は喜んで交流します。そして、それらを心から尊敬する。
水俣の海には「海霊(よなだま)さん」という、海の神様が祭られています。
神と人間と自然とが一体となった、共同体がここにはありました。
しかし、チッソという会社が出来てから、この物語はどんどん暗い方向へ進んでいきます。
利益を求め、人々はどんどん忙しくなってゆきます。多くの人が外からやってきたり、地元の人も海から離れ、会社で働くようになります。そして、重機で岩は崩され、自然は瞬く間に壊されていきます。
大地に宿る魂や、生きとし生けるものの存在を忘れてしまった、または知らない人間はこんなにも冷たいものなのか、というのがひしひしと伝わります。
ですが、キツネが人間の船に乗せられて逃げる場面では、お互いが尊敬しあう関係がまだ崩れていないのか、と、ほんの少しの希望が持てます。
それでも、希望は打ち砕かれ、次々に亡くなってゆく山や海の命達。ついには人間の命も脅かされ始めます。
どのように水銀によって苦しんで亡くなっていったか、その描写はとても恐ろしいです。
小さい女の子、ちよちゃんもついには亡くなってしまいます。そのお葬式の場面。印象的な真っ赤なヒガンバナが延々と続きます。そのお葬式の列には、もう見かけなくなってしまった、白い鳥やキツネの姿も。
最後、ちよちゃんの生き残ったおばあちゃんの言葉がとても印象的です。
楽しいばかりではない、絵本のもう一つの姿。この、厳しすぎる現実を直視した「みなまた海のこえ」には、子供もじっと聞き入っていました。方言の語り口調の豊さ、リアルさと、美しさ、ハッとするような鮮やかな絵とが相まって、ストレートに子供の、そして大人の心にも響く、強さがある絵本だと思います。

まとめ

絵本はどれも素晴らしいものが多く、私としても多くの方にいろんな絵本があると知ってほしいのですが、このような絵本も紹介しなければと思います。
素敵な色彩で彩られた絵本だからこそ、その凄惨さが目に焼き付く。しかし、それは紛れもない日本の過去の姿。
過去の問題は様々なシーンでネットでもニュースになったりしますが、そういったことを若者に伝えて、それを彼らがどう受け取るか。
私たちの意見を押し付けるではなく、彼らが考えることです。
今回は少し難しい絵本の紹介でした。
中には暗い話だから、こんな記事読みたくないよと感じる方もおられるかもしれません。そういった方は申し訳ありません。

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