なつみはなんにでもなれるという絵本を紹介します。
子供はなんでも興味を持ち、ママやパパにあれ何ってよく聞きますよね♪答えられるときはいいけれど、時には疎ましく感じるときもあると思います。
それに子供の感性に驚くこともいっぱい♪
世間は卒業式で小学校、中学校、高校、大学などそれそれ新しい道を歩くために不安と期待に胸を躍らせる時期です。
親御さんはそういった息子や娘の姿をどんな想いで見送るのでしょうか。
子供には無限の可能性があると昔から言われていますが、学校教育ではほとんどが進学か就職という2つの選択肢しか提案されることがなく、無限という可能性ってどんなものなのかと思っていました。しかし、社会に出るとその先はどう自分の時間を使って何をするのかは自由です。私たち大人ですら今この時間を使ってできることもたくさんあるのですが、それらは「できないという理由」に逃げてしまい、子供のような実行力は持てない気もします。
子供のころの可能性はしっかりと残してあげたいものですよね。
なつみはなんにでもなれるってどんな絵本?
作・絵:ヨシタケシンスケ
出版社:PHP研究所
発行日:2016年12月30日
なつみはなんにでもなれるという絵本はなつみちゃんの何の真似をしているかのあてっこゲームが絵本の基本ストーリーとなっています。
人気絵本作家のヨシタケシンスケさんの親しみがわくイラストやまるでエッセイのような物語は、読み聞かせをする側である私たち大人の心も、とらえて離しません!
なつみはなんにでもなれるを読み聞かせした方の声
まるで子育てエッセイ漫画のような絵本です。
もうすぐ寝る時間なのに・・・「おかーさん!おかーさん!おかーさん!」と全身を使っておかーさんを呼ぶ、自由で元気な女の子・なつみと、そんななつみに翻弄されるおかあさんの掛け合いに、思わず親子で笑ってしまいます。
物語は、なつみによる「なつみがなにかのマネをして、それをおかあさんがあてるゲーム」で進んでいきます。
なつみの「コレ、なーんだ?!」は、超難問・・・。子供といっしょに「なにかな?」「わからん~~なんやろ?」とわくわくしながら次のページをめくると・・・「そんなんわからんわ!!」と思わずつっこみたくなる答えが待っています。途中ででてくる「サービスもんだい」も・・・「うん、わからん!!」
そんな予想のナナメ上を行く発想をぶつけてくるなつみに、私たち親は「いつまでやるの・・・」と軽く面食らいますが、子供は「次は?次はなに?」と次第にのめりこんでいってしまいます。子供は絵本のなかのなつみがおもしろいので、とても楽しそうです。なつみのユニークで意外と細かい観察眼を通して、「そういえばうちの子も、こないだあんなこと言ってたなあ」と思い出すことがあるのではないでしょうか。
そして読み進めながらふっと思う瞬間があるはずです。「あ、なつみとおかあさんのこの感じ・・・これはうちの子と私だ!」と。なつみとおかあさんのやりとりを客観的に見ることで、普段の自分の育児のありかたがどうであるかが頭をよぎります。
洗濯ものを畳みながら、なかなか寝てくれないなつみの相手をするおかあさんの気持ちは、きっと手に取るようにわかると思います。そして寝る直前までおかあさんに遊んでほしいなつみと、「絵本を読んでくれなきゃ寝ない」だの「寝る前にあの動画が見たい」だの、なにかと寝る前に注文をつけてくるわが子が重なります。あまりに毎日のことなので、そんな子供をうとましく感じたり、疲れてるんだ早く寝てくれと心から祈ったり・・・。
私は、とにかく子供を寝かせるという一日の最後の仕事を早く終わらせたくて、自分にかまってほしい子供の気持ちを置き去りにしていたなと反省しました。なつみはおかあさんに言います、「どーしてわかんないの?!なつみのきもちになって!!」と。これはそのまま、わが子の気持ちなのだろうなと私は感じました。
どの親子も経験していそうなある日の日常の風景から、親としてたくさん考えることがありました。もちろん、子供はなつみが笑わせてくれるので最後まで楽しんで読むことができます。小さめの絵本で、寝る前の読み聞かせにぴったりだと思います。