子どもに夢や勇気を教えるのは難しいものです。育児の中で知育や普段の遊びを通じて、感性を磨き様々な事柄から学んでいく子供の成長は親ならほほえましく、そういった素敵な成長をさせてあげたいと誰もが考えています。
今回紹介させてもらうのは、和田裕美さんの「ぼくはちいさくてしろい」という絵本です。
日本の小学校で使われるシェアトップの道徳の教科書(平成30年度版いきるちから 日本文教出版刊)に掲載されることでも注目度が上がり、絵本もリニューアル復刊されたんです。
作者さんの和田裕美さんは作家であると同時に営業コンサルタントと京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授という肩書をお持ちのスーパーウーマンなんです。
リニューアル復刊された絵本の帯には、世界ナンバー2営業ウーマン&著作累計200万部作家を育てた、亡き母の教え。というコメントがかかれています。
絵本はなかなか売れないという時代において、発売1ヶ月半で早くも増版が決まったといったり、アマゾンの売り上げランキングでナンバーワンを獲得するなど多くの方に注目されている絵本なんですね。
ぼくはちいさくてしろいってどんな絵本?
作:和田裕美
絵:ミウラナオコ
出版社:クラーケン
発行日:2018年03月07日
真っ白くて小さなペンギンが、悪い部分もしっかりと自分の中に受け入れて、いいところを少しでも探せるようになっていく、そんな素敵な内容です。
ペンギンという文字に振り仮名がうってあるのですが、何も知らないペンギン君という意味と感じて、むしろひらがなでぺんぎんと表してあげてもよかったのかなとも感じました。
子どもはもちろん、大人だって悪いと思っている部分は誰にもあります。そんな悪いところを受け入れて、いいところを探す。これは大人になるほど難しく、先入観や変なプライド、頑固さなどいろんなものが邪魔をしてしまいます。
子どもだとそういった固定観念はまだ形成される前に、こういった絵本を見てほしいのと同時に、大人にも話を通じていろんなものを感じてほしい知育絵本です。
ぼくはちいさくてしろいを読み聞かせした方の口コミ
ちいさくてまっしろで、ひとりぼっちのぺんぎんの物語です。
『どうして ぼくは
はいいろのぶぶんも くろいぶぶんもなくて
まっしろなのかな?』
『しろいのも すてきなのよ。
ゆきのなかで かくれんぼが
いちばんになれるでしょう』
『おかあさん おかあさん
どうして ぼくは
ほかのこよりも はしるのがおそいの?』
『それはね まえをはしっていたら
うしろのこがころんでも きがつかないでしょう。
あなたは ほかのだれかが ころんだら
おこしてあげるやくめなの。』
ぺんぎんの疑問に、お母さんが違った視点で答えます。何事も捉え方次第で、前向きになれることを教えられます。
『でも ぼくは いま たったひとりで さびしいよ』
『さびしいのは ほかのひとの
さびしさを まなぶためなの』
『ぼくは いま とってもかなしいよ』
『かなしいのは あなたに
あたたかいこころが あるからなの』
大人にとっても考えさせられるような、ほっとするような、言葉です。マイナスな感情でも、肯定してくれる言葉に安心します。
『まえをむいて あるいていくと ゆうきとであえるの。
いろんなことにむかっていけば
さいしょは ちいさなゆうきでも
どんどん おおきくなっていくの』
『そのさきには なにがあるの』
『わくわくする あなたの みらいがあるの』
『わくわくする みらい?
ぼくは みらいにたどりつけるかな?』
『ゆめがあるなら だいじょうぶ』
『ぼくのゆめは なんだろう…』
『あるいていったら であうのよ。
でも そこでないていたら ゆめにはであえないの』
この部分は私がもっと早く読んでいたかったところです。人間の生き方の真理をついているようです。この絵本に出会えたことにより、これから、小さな勇気を重ねて、どんどん大きな勇気をもてるようにと思えました。大人も、自分のわくわくする未来や、夢について、いま一度考える機会になります。
『ぼくは ひとりぼっちで あるいていけるかな…』
『いつも おかあさんがいっしょよ』
『ぼくは ひとりぼっちじゃないの?』
『ずーっと いっしょ』
これから成長するにつれて、辛いことや悲しいことがあるけれど、どんな時も心の中にはお母さんがいること、お母さんがいつもあなたのことを一番に考えてることを代弁してくれています。
自分の子どもに、大人になってもずっと覚えていてほしい言葉の詰まった、勇気と強さを学べる一冊です。
優しい色合いとかわいいいイラストに、子どもは読んでほしいと何度もせがみます。また、全て平仮名なので4歳でも自分で全部読めます。
母親の私にとっても、最も好きな絵本の一つです。