「赤ちゃんのお世話でヘトヘト。この疲れ、ただの寝不足?それとも貧血?」 そんな育児中のママの疑問に、先に答えを出しておきます。
- 産後は貧血になりやすい時期です。出産時の出血、妊娠中からの鉄不足、授乳や睡眠不足が重なります
- 動悸・息切れ・立ちくらみは、産後の疲れと見分けにくいので、血液検査で確認するのが確実です
- 産後に貧血がある人は、産後うつになりやすいという報告があります(貧血だけが原因ではありません)
- 数か月続くこともあります。気になるときは産婦人科や内科へ。鉄剤は医師の処方で
※2026年9月時点の情報です。
「産後は疲れて当たり前」と我慢してしまう人が多いのですが、貧血が隠れていることがあります。原因、サイン、受診の目安をまとめました。
この記事でわかること
- 産後に貧血になりやすい理由
- 貧血のサインと、産後疲れとの見分け方
- 産後うつとの関係
- 検査・治療の流れと、受診の目安
- いまの生活でできること
目次
産後に貧血になりやすい理由
- 出産時の出血:出血が多かった人は、特に鉄が減っています。子宮の戻りが悪いと、出血が長引くこともあります
- 妊娠中の貧血・鉄不足が続いている:妊娠中から貧血気味だった人は、そのまま産後に持ち越しやすくなります(妊娠中の貧血の記事)
- 授乳:授乳期の鉄の付加量は1日2.0mgと、妊娠中期以降の8.5mgより小さめです。ただ、睡眠不足や食事の乱れが重なりやすい時期です
- 月経の再開:月経で血液と一緒に鉄が失われます。量が多い人は、貧血のリスクがさらに高まります(産後のPMSと貧血の記事)
特に「妊娠中に貧血の症状があった人」「出産時の出血が多かった人」は、注意が必要です。
産後の貧血のサインと、産後疲れとの見分け方
| サイン | ヒント |
|---|---|
| 休んでもとれない疲れ | 寝不足の疲れは、まとまって眠れると軽くなりやすい |
| 動悸・息切れ | 抱っこや階段で、いつもより苦しい |
| 立ちくらみ・めまい | 立ち上がったときにふらつく |
| 顔色が悪い | 唇やまぶたの裏が白っぽい |
| 頭痛、集中できない | 育児の合間に、考えがまとまらない |
| 気持ちの落ち込み・イライラ | 貧血でも起こる。産後うつと見分けにくい |
| 風邪をひきやすい | 貧血で免疫力が下がることがある |
産後は疲れやすいのがふつうで、症状だけでは貧血かどうか分かりません。当てはまるものが多いときは、血液検査で確認してみてください。
産後うつとの関係
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産後に貧血がある女性は、産後うつになりやすいという報告があります。ただ、産後うつの原因は貧血だけではなく、睡眠不足、ホルモンの変化、育児の負担などが重なって起こります。「貧血を治せば防げる」とまでは言い切れません。
産後うつのスクリーニングには、「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」が使われます。産後1か月までの産婦さんで、EPDSが9点以上だった人は約9.7%です(こども家庭庁の資料)。9点以上は、確認や相談が必要なサインで、診断ではありません。
- ほとんど毎日、気持ちが沈む状態が2週間以上続く
- 何をしても楽しいと思えない
- 眠れない、または眠りすぎる
- 赤ちゃんのお世話が手につかない
検査と治療の流れ
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産後の貧血は、血液検査でヘモグロビンと、体にためている鉄の量(フェリチン)を調べます。産後健診で血液検査をするかどうかは施設によって違うので、気になる場合は自分から相談してみましょう。
| 検査 | わかること |
|---|---|
| ヘモグロビン | 貧血があるか。産後は10g/dL前後を目安に治療を考えることが多い(施設によって違います) |
| フェリチン | 体にためている鉄の量。15ng/mL未満が鉄欠乏の目安とされる |
鉄欠乏性貧血では、鉄剤の内服が一般的です。授乳中の服用が不安なときは、「授乳中です」と医師や薬剤師に伝えて相談してください。便が黒っぽくなる、吐き気、便秘が出ることもあります。つらいときは自己判断でやめず、相談しましょう。
こんなときは早めに受診を
- 安静にしていても、動悸や息苦しさが強い
- 立ちくらみで転びそうになる、実際に転んだ
- 出血が急に増えた、かたまりが多い、においが強い、発熱がある
- 一度減った出血が再び増え、量が多い状態が続く
いまの生活でできること
- 眠れるときに横になる:まとまって眠れなくても、赤ちゃんが寝ている間に休みます
- 食事は完璧をめざさない:納豆、缶詰、赤身肉を足すだけでも違います(授乳中・育児中の鉄分ごはん)
- 頼れるものは頼る:家族や、自治体の産後ケア事業、家事サービスなどを使いましょう
- 急に立ち上がらない:立ちくらみを感じたら、その場に座って休みます
- サプリは自己判断で増やさない:貧血が心配なら、まず医療機関で検査を。鉄欠乏でない人が鉄を増やしても、貧血の予防にはつながらないとされます
産後の貧血についてよくある質問
Q. 産後の貧血は、いつまで続きますか?
個人差が大きく、数か月続くこともあります。授乳や睡眠不足、月経の再開などが重なると、続きやすくなります。鉄剤が処方されたときは、自己判断でやめず、血液検査で確認しながら続けてください。
Q. 産後の疲れと貧血は、どう見分けますか?
症状だけで見分けるのは難しいです。休んでもとれない疲れ、動悸や息切れ、立ちくらみが続くときは、血液検査で確認するのが確実です。
Q. 授乳中に鉄剤は飲めますか?
貧血の治療が必要なときは、医師が鉄剤を処方します。授乳中の服用が不安なときは、「授乳中です」と医師や薬剤師に伝えて相談してください。
Q. 産後うつと貧血は関係がありますか?
産後に貧血がある女性は、産後うつになりやすいという報告があります。ただ、産後うつの原因は睡眠不足やホルモンの変化、育児の負担などが重なるもので、貧血だけが原因ではありません。気持ちのつらさが続くときは、産院や保健センターに相談してください。
Q. 産後健診で、貧血はわかりますか?
施設によって、産後健診で血液検査をするかどうかが違います。気になる症状があるときは、産院や内科で、ヘモグロビンやフェリチンの検査を相談してみてください。
Q. 貧血を放っておくとどうなりますか?
強い疲労感、めまい、動悸、息切れが続き、育児や授乳がつらくなることがあります。免疫力が下がって風邪をひきやすくなる人もいます。気持ちの落ち込みや集中力の低下とも関係があるとされているので、早めに確認しましょう。
まとめ
- 産後は、出血・妊娠中からの鉄不足・授乳や睡眠不足で、貧血になりやすい
- 産後疲れと見分けにくいので、血液検査で確認する
- 産後に貧血のある人は、産後うつになりやすいという報告がある
- 鉄剤は医師の処方で。サプリの自己判断は避ける
「産後だから仕方ない」と我慢しなくて大丈夫です。気になるときは、産院や内科に相談してください。生理が再開してからのだるさやイライラが気になる方は、産後のPMSと貧血もあわせてどうぞ。
- トモニテ「産後の貧血の原因と対処法は?」:https://tomonite.com/articles/4715
- mitas series「産後の貧血を改善したい!」:https://brands.naturaltech.jp/media/mitas-series/columns/postpartum-anemia
- 厚生労働省「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001257706.pdf
- レディースクリニックなみなみ「産後の生理はいつ再開する?」:https://naminamicl.jp/column/pregnancy/postpartum-menstruation/
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html