産後の悪露というのは、初めてのお産を経験されたママさんにとって
とても驚いてしまうものではないでしょうか。
出産であれほど出血したのに、まだ血が出るの?
わたしの身体はどうにかなっちゃったんじゃないの?
本当に大丈夫?
と心配になってしまうお気持ちは良く分かります。
しかしながら、悪露自体は正常なもので、
決して慌てるようなものではありません。
そこで、このページでは、お産の直後から始まる悪露について、
正常な場合の色や量、匂いなどをご紹介します。
併せて、正常な悪露の対処法や、明らかに産婦人科に相談が必要なケースなど、
分かりやすくまとめましたので参考にしてみて下さい。
そもそも悪露ってなに?
悪露とは、お産直後から見られるもので、次のようなものが含まれます。
・胎盤
・子宮内膜
・卵膜
・血液
・リンパ液
産後の悪露で排出されるこれらのものの名前だけを聞くと
心配になってしまうかも知れませんが、
これらが含まれる悪露は正常なものですので、慌てる必要はありません。
悪露が収まるまでの期間は、およそ4週間で、
その間に経血と似たような血生臭い匂いがするのは、正常な悪露です。
もし、悪露が出ている期間で何か違った匂いがする場合や
特別な痛みがある場合は、産婦人科に相談しましょう。
また、産後の悪露は1ヶ月程度で治まるのが通常ですが、
次のケースの場合は産婦人科にご相談してください。
・産後1ヶ月を過ぎても悪露が続いている
・悪露の量が減って行かない
・悪露の量は減ったけど、色と匂いに異常がある
・出産直後のような鮮血のような色が治まらない
このようなケースの場合は、産後の肥立ち(産褥:さんじょく)の
子宮の回復が思わしくない事が考えられます。
次の段落で、これらの異常のケースに当てはまらない
『正常な悪露の時間経過での移り変わり』
を一緒に見て行きますので、もし違う点が現れるようなら
念のために早めに先生に相談した方が良いですよ。
産後の悪露はいつまで続くものなの?
産後の悪露は基本的に産後一ヵ月程度は続きます。
しかし、人によっては回復がスムーズで早かったりして一ヵ月未満でほぼ完全に落ち着いてくる方もいらっしゃいますが、退院してまもなく無理をしてしまったり、何らかの原因で産後2ヶ月過ぎても悪露が続く方もいらっしゃいます。
産後は安静にすることが重要とよく言われますが、それについては悪露も深く関わりがあることを忘れてはいけません。
産褥期わの正常な悪露の量、匂い、色は?
産褥期の悪露で正常なものは次のような変化をしながら、
およそ4週間続くのが普通です。
これらにあてはまる悪露は心配ありませんので、
落ち着いて対処してくださいね。
お産直後~1週間目
お産直後の悪露は、鮮血のような真っ赤な出血があるのは普通です。
しかしながら1週間の間にどんどん量が少なくなって行きます。
この期間は悪露の中に塊が出て来る場合があります。
これらは、冒頭でもご紹介した胎盤や卵膜、産道を
赤ちゃんが通過した際に傷付いた産道の内壁の分泌物であったりします。
ですので、基本的には驚く必要はありません。
また、量と共に色も当初の鮮血のような真っ赤な悪露から、
茶褐色の酸化したような色に変わって来ます。
これも正常な悪露ですので心配いりませんよ。
この1週間の悪露は血生臭い匂いも強いのですが、
徐々に匂いも少なくなって来ます。
産後8日目~14日目
お産直後の1週間よりも量が確実に減り、
色も茶褐色から黄色っぽい色に変わって来ます。
同時に匂いも少しずつ弱くなって来ます。
しかしながら、この時期は油断できない時期でもあります。
この時期は、産院から自宅に戻られていらっしゃる方が多いのですが、
そうなると旦那様やご実家の親戚筋が
赤ちゃんを見せて欲しいとか、お祝いを言わせてくれ
といった形で訪問されるケースが多いんです。
そういった方々に気遣って、家を掃除したり、片づけたり、
もてなす準備をしたりする事が多く、
知らず知らずのうちに身体を無理に動かしている場合があるからです。
この時期は産褥期の中間点に当たるため、無理は禁物ですよ。
産後15日目~21日目
お産直後の2週間よりさらに量が減り、
もうほとんど出ていないと感じるようになります。
淡いクリーム色のような色となります。
匂いの方もほとんど感じないくらいのうっすらとしたものに変化します。
この時期で、産後の悪露が収まり始める方もおられます。
産後22日目~28日目
この時期の悪露は、ほとんど無臭・無色。
悪露自体が終わる方も増えます。
多少の個人差はありますが、もし産後5週目に入っても、
まだ量が多い場合や匂いが強く、色が鮮血混じりの赤っぽい場合など、
異常であると感じた場合は、産婦人科医に相談してくださいね。
産後の悪露の対処のポイント
産後の悪露自体は、先ほどご紹介したような
正常な範疇のものならば、自然と治まります。
しかしながら、子宮や身体の内部で異常がなくても、
悪露が出ている間は、肌がかぶれてしまうなどのケースがあるため
出来る限り小まめに清潔に保つことが大切です。
・産褥パッド
・産褥ショーツ
・清浄綿
これらの産褥期の悪露の対策グッズを早めに多めに用意しておくと便利です。
悪露の量にも個人差があるため、一概には言えませんが、
常に買い足すか、あらかじめ多めの量を準備しておくと安心ですね。
そして、これらのグッズは、出産のために入院する時に病院にもっていきましょう。
産褥パッドは、生理用ナプキンと似ていますが、
より分厚く吸収性が高いものとなっており、産褥ショーツとセットで使用します。
産褥ショーツは、股の部分がマジックテープで開くようになっているものだと、
産褥期の入院中に看護師さんに手当てをしてもらうのに便利ですよ。
清浄綿は、お手洗いの際に悪露を拭き取るのに使用します。
その際に、帝王切開や会陰切開の傷がある方は、
傷口に触れて痛みを感じる方もおられます。
なので、傷口に直接触れて擦るような拭き取り方をしない方が無難でしょう。
ビデで洗い流したり、お風呂の時にシャワーをの水圧を弱めにして洗い流したり、
小まめに機会を見て清潔に保てば、かぶれたり、
傷口に触ってヒリヒリしたりといった不具合を予防する事にもなります。
産褥パッドはどのくらい用意すれば安心?
産褥パッドは、基本的な正常値の産後の悪露の場合、
たいていは産院で支給してもらえる数で足りることがほとんどです。
病院によっても違いはありますが、Lサイズ5枚、Sサイズ10枚程度が支給されます。
ただし、悪露の量が多かったり、少なかったりと個人差がありますし、
支給される枚数も変わって来ますので、
通販などで中間サイズのM版を10枚などスペアで持っておくと安心出来ると思います。
病院内の売店などでも買い足す事は出来るところが多いのですが、
割高になってしまうのはちょっと痛いところですね。
そういった意味で、入院前に近所のドラッグストアや通販で
『多めに用意しておく』というのが安心出来るのではないでしょうか。
悪露対策や産褥期の過ごし方で身体も心も変わる?
産後の悪露は、どんどん減っていき自然と治まります。
しかしながら、悪露の量がちゃんと減って行っているのか、
匂いや色は大丈夫なのか。といった事をチェックするようにしましょう。
また、産褥期の事を『産後の肥立ち』というのですが、
この時期にお産で消耗した体力を戻すことや傷をいやす事に集中して、
元気な身体を一日も早く取り戻せば、
その分赤ちゃんの元気で順調な成長につながります。
というのは、産褥期の悪露対策や『安静と栄養補給』が
『母乳に出』の良さや産後うつの予防などとも関連するからです。
お産で頑張った自分の身体を大切にしてあげて下さいね。