日中の育児の疲れもあって、ようやくホッと一息つける夜。ウトウトし始めた頃や、ぐっすり眠っている最中に、突然の激痛で目が覚めて「痛い!足がつったー!」と、こむら返りに襲われていませんか?
産後、特に夜中に足がつりやすくなった…と感じているママさんは少なくありません。あの突然の痛みは、本当に辛いですよね。睡眠も妨げられてしまいます。
この記事では、なぜ産後ママはこむら返りを起こしやすいのか、そして突然の激痛を和らげるためのケアや、予防のためのヒントを、あなたのつらい気持ちに優しく寄り添いながら、分かりやすくお伝えします。
夜中の突然の痛みに悩まされず、少しでも穏やかに過ごすためのヒントを見つけてくださいね。
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なぜ産後ママは「こむら返り」を起こしやすいの?原因を探る
妊娠中にもこむら返りを経験する方は多いですが、産後も引き続き、または産後になってから足がつりやすくなることがあります。その原因は、産後特有の体の状態や生活習慣が関係しています。
- 水分不足・ミネラル不足:
授乳(特に母乳育児)をしているママは、母乳を通して水分だけでなく、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルも赤ちゃんに送っています。ママ自身の水分やミネラルが不足すると、筋肉の正常な収縮・弛緩ができなくなり、足がつりやすくなります。(→産後の水分補給の記事、産後の食事の記事も参考に) - 疲労や睡眠不足:
慣れない育児による体の疲労や、細切れの睡眠による睡眠不足は、筋肉の緊張を高めたり、血行を悪くしたりして、こむら返りを引き起こしやすくします。(→産後の倦怠感の記事、産後の睡眠不足の記事も参考に) - 筋肉の疲労や血行不良:
赤ちゃんを抱っこしたり、授乳で同じ体勢を続けたりすることで、特定の筋肉(特にふくらはぎ)が疲労したり、圧迫されて血行が悪くなったりすることがあります。 - 冷え:
体が冷えると血行が悪くなり、筋肉が収縮しやすくなるため、こむら返りを起こしやすくなります。 - 鉄分不足・貧血:
鉄分不足や貧血は、筋肉への酸素供給を不十分にし、こむら返りの原因となることがあります。 - 体の回復過程:
出産を経て、体全体のホルモンバランスや循環系が元の状態に戻ろうとしている過程で、一時的に体の調整機能がうまくいかないことがあります。
これらの原因が複合的に絡み合って、産後ママはこむら返りを経験しやすくなっています。これは、あなたの体が頑張っているサインでもあります。
突然の激痛!つらいこむら返りを和らげるケア
夜中に突然こむら返りが起きたら、あの痛みは一刻も早く和らげたいですよね。そんな時の応急処置と、日頃のケアをご紹介します。
突然つってしまったら…応急処置
- ゆっくりと、痛い方向と反対側に伸ばす:
つってしまった筋肉(多くはふくらはぎ)を、ゆっくりと、痛い方向と反対側に伸ばします。例えば、ふくらはぎがつった場合は、つま先を顔の方にゆっくりと引き寄せるように伸ばします。痛みが強い場合は無理せず、呼吸を整えながら gentle に行いましょう。 - つった部分を優しくマッサージ:
痛みが少し和らいできたら、つった部分を優しく揉みほぐすようにマッサージします。 - 温める:
温かいタオルを当てたり、使い捨てカイロを貼ったりして、つった部分を温めると、筋肉の緊張が和らぎやすいです。
日頃からできるケアと予防
日頃から以下の点を意識することで、こむら返りを予防し、起こりにくくすることができます。
ケア・予防法 | 具体的な方法 | なぜ効果があるの? |
---|---|---|
十分な水分補給 | ・喉が渇く前に、こまめに水分(水、麦茶など)をしっかり摂る。 ・特に授乳中や汗をかいた時は意識して多めに。 | 水分不足はミネラルバランスを崩し、筋肉の収縮異常を引き起こします。 |
ミネラルを意識した食事 | ・ミネラル(カルシウム、マグネシウム、カリウムなど)を多く含む食品(乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、ナッツ類、海藻類など)を積極的に摂る。 ・バランスの良い食事を心がける。 | ミネラルは筋肉や神経の働きに不可欠です。 |
体を冷やさない | ・特に足元を冷やさないように、靴下やレッグウォーマーを履く。 ・湯船にゆっくり浸かる(産褥期が終わってから)。 ・温かい飲み物を飲む。 | 体が冷えると血行が悪くなり、筋肉が収縮しやすくなります。 |
適度なストレッチとマッサージ | ・寝る前やお風呂上がりなどに、ふくらはぎや足の指を優しくストレッチする。 ・セルフマッサージや、パートナーにマッサージをお願いする。 | 筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。 |
無理のない範囲で体を動かす | ・ウォーキングなど、ゆっくりとした運動で血行を促進し、筋肉を適度に使う。(医師の許可を得てから) | 適度な運動は血行を良くし、筋肉の機能を高めます。 |
十分な休息と睡眠 | ・育児の合間に、無理せず休む。 ・夜、可能な範囲でまとめて睡眠時間を確保する。 | 疲労や睡眠不足は筋肉の緊張や血行不良を招きます。 |
寝る時の工夫 | ・足の下にクッションなどを置いて、足を少し高くして寝る。 ・寝る前に足のストレッチやマッサージをする。 | 足の血行を良くし、むくみを軽減する助けになります。 |
これらのケアは、必ずしもすぐに効果が出るわけではありませんが、続けることで体調が整い、こむら返りが起こりにくくなることが期待できます。
【重要】こんなこむら返りや症状は迷わず病院へ相談を
産後のこむら返りの多くは、上記のような原因によるものですが、まれに他の病気が隠れている可能性もゼロではありません。以下の場合は、自己判断せず、必ず医療機関(かかりつけ医、産婦人科など)に相談してください。
- こむら返りの頻度が異常に高い、または痛みが非常に強い。
- つった部分が赤く腫れている、熱を持っている、強い痛みが持続する。 (血栓症などの可能性)
- こむら返りとともに、手足のしびれ、脱力感など、他の気になる神経症状がある。
- 日中の強い倦怠感が続き、めまい、立ちくらみなどがひどい。 (貧血が重い可能性)
- 上記以外でも、「いつものこむら返りと違うな」「何かおかしいな」と、ご自身の体調に強い違和感や不安を感じる。
これらの症状は、単なるこむら返りではなく、他の病気が隠れているサインかもしれません。迷うくらいなら、遠慮せず医療機関に相談することが、あなたと赤ちゃんを守るために最も大切です。
まとめ:つらい痛みは体のサイン。優しくケアして乗り越えよう
産後のつらいこむら返りは、水分不足やミネラル不足、疲労、血行不良など、産後ママ特有の体の状態や生活習慣が原因で起こりやすいマイナートラブルです。突然の激痛はつらいですが、まずは慌てずに gentle に対処しましょう。
日頃から、十分な水分補給とミネラルを意識した食事、体を冷やさない工夫、適度なストレッチや運動、そして何より十分な休息を心がけることで、こむら返りを予防し、起こりにくくすることができます。
そして、症状が重い場合や、他の気になる症状を伴う場合は、迷わず医療機関に相談してください。
こむら返りは、あなたの体が頑張っているサインでもあります。つらい痛みに優しくケアして、心身ともに心地よく、赤ちゃんとの生活を送ってくださいね。心から応援しています!
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