「食育」と聞くと、少し難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、食育は特別なことではなく、子どもたちが健やかに成長するために、食に関する様々な体験を通じて「食を営む力」を育むことです。では、この食育は一体いつから始めれば良いのでしょうか。
食育の効果:食卓は小さな地球儀!広がる学びと視野
私たちが普段食べているものは、どこから来て、どんな人たちが作ってくれたものなのでしょうか?食育は、子どもたちの「食べる」という行為を通して、食べ物が作られる過程や、地域の農業・漁業、そして世界の食文化へと興味の範囲を広げるきっかけとなります。
旬の食材を通して季節を感じたり、郷土料理から地域の歴史や文化を学んだり。また、食べ物を無駄にしないことの大切さや、地球環境との関わりについて考えることは、持続可能な社会を意識する心を育みます。食卓を囲む時間は、家族の絆を深めるだけでなく、地域や社会、そして世界とのつながりを感じられる大切な学びの場なのです。
食育は、単なる栄養教育に留まらず、子どもたちが豊かな人間性を育み、社会の一員としての意識を高めていくための、奥行きのある教育と言えるでしょう。
また、一般的に6歳までに食育をした子供は味覚もしっかりとする傾向があり、食を意識するため好き嫌いも少なくなるという声もあがったりもします。
このように様々な効果のある食育は、家庭と学校の両方で行うことでより効果的なものになり、子供同士でも会話のひとつになります。
食育のスタートは「食べる」に興味を持ったときから
食育は、生後すぐに始まる授乳、そして離乳食の開始とともに自然とスタートすると考えられます。「いつから」という明確な区切りはありませんが、赤ちゃんが食べ物に興味を示し始め、実際に「食べる」という行為を経験する離乳期が、食育の土台を築く大切な時期となります。
- 離乳初期(生後5~6ヶ月頃):赤ちゃんが食べ物に興味を示したり、口元をモグモグさせたりといったサインが見られたら、離乳食を始めるタイミングです。この時期は、様々な食材の味や舌触りに慣れることが中心となります。
- 離乳中期・後期(生後7ヶ月~1歳頃):食材の形態をステップアップさせながら、「自分で食べる」ことへの興味を引き出します。手づかみ食べをencouragingしたり、家族と一緒に食卓を囲んだりすることも大切な食育です。
- 幼児期(1歳~小学校入学前):食べる意欲を育み、食に関する様々な体験を広げる時期です。食材の色や形に触れたり、簡単な調理のお手伝いをしたり、食べ物の旬を知ったりと、遊びや生活の中での学びが重要になります。
このように、食育は赤ちゃんの成長段階に合わせて、無理なく自然な形で進めていくことが大切です。
家庭でできる!年齢別食育の例
難しく考えず、家庭での日々の食事や関わりの中で食育を取り入れてみましょう。
- 赤ちゃん期:離乳食を様々な食材で試す、家族が美味しそうに食べる姿を見せる、一緒に食卓を囲む。
- 幼児期:食材を一緒に洗う・ちぎるなど簡単な調理を手伝ってもらう、買い物で食材を選んでみる、野菜を育ててみる、食べ物の絵本を読む、食事のマナーを少しずつ伝える。
食育「いつから」に関するQ&A
Q1:食育は何歳から本格的に始めるべきですか?
A1:離乳食が始まる生後5~6ヶ月頃から自然な形でスタートするのが一般的です。幼児期には、より意識的に食に関する様々な体験を取り入れることで、食への興味や理解を深めることができます。
Q2:離乳食をなかなか食べてくれません。これも食育に関係ありますか?
A2:食べる量や進み具合には個人差があります。無理強いせず、食べる意欲を引き出す関わりが大切です。食材の形態や調理法を工夫したり、家族と一緒に楽しく食事をしたりすることも食育の一環です。心配な場合は専門家(医師や栄養士など)に相談しましょう。
Q3:好き嫌いが多いのですが、どうすれば良いですか?
A3:すぐに好き嫌いをなくすのは難しいかもしれません。根気強く、様々な形で苦手な食材に触れる機会を作りましょう(例:料理に少しだけ混ぜる、絵本で見る、一緒に育ててみる)。「食べられた」という成功体験を積み重ねることも大切です。家族が美味しそうに食べている姿を見せるのも効果があります。
Q4:共働きで忙しく、手の込んだ食育は難しいです。
A4:毎日手の込んだことをする必要はありません。一緒に買い物に行って食材に触れる、食卓の準備や片付けを一緒にする、食事中に食べ物の話をするといった、日々の生活の中でのちょっとした関わりでも十分に食育になります。無理なく続けられることから始めましょう。
Q5:食育の目標はありますか?
A5:食育の目標は、子どもたちが生涯にわたって健康で質の高い生活を送ることができるように、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できるようになることです。食べることを楽しむ気持ちを育むことも大切な目標です。
まとめ
食育は「いつから」という厳密な始まりはなく、赤ちゃんが「食べる」に興味を持ったときから自然と始まります。日々の食事や食に関する様々な体験を通して、子どもたちの「食を営む力」を育んでいきましょう。難しく考えず、できることから楽しく取り組むことが継続の鍵となります。
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タグ: #食育 #いつから #赤ちゃん #幼児期 #子育て