お子さんがご飯を丸呑みしているのを見て、「ちゃんと噛んでるのかな?」と心配になったことはありませんか?
実は、「噛む力」は、単に食べ物を消化するだけでなく、お子さんの健やかな成長にとって驚くほど大切な役割を担っています。毎日の食卓でできるちょっとした工夫で、お子さんの「食べる力」をグンと伸ばしてあげましょう。
なぜ「噛む力」が大切なの?
お子さんの「噛む力」を育むことは、将来の健康な体作りの基本です。
- 消化を助ける:食べ物を細かくすることで、消化器官への負担が減り、栄養が効率良く吸収されます。
- 顎の発達を促す:しっかり噛むことで顎の骨や筋肉が発達し、歯並びや顔の形にも良い影響を与えます。
- 脳を活性化する:噛む動作は脳への刺激となり、集中力や記憶力の向上にも繋がると言われています。
- 言葉の発達:顎や口周りの筋肉を使うことで、発音に必要な筋肉が鍛えられ、言葉の発達にも良い影響を与えることがあります。
今日からできる!「噛む力」を育てる工夫
特別なことではなく、日々の食事の中で意識を変えるだけで、お子さんの噛む力を引き出すことができます。
- 噛み応えのある食材を取り入れる:柔らかいものばかりでなく、根菜(ごぼう、レンコンなど)、きのこ、海藻類、弾力のある肉などを、お子さんの発達段階に合わせて少しずつ取り入れましょう。最初は小さく切ったり、柔らかく煮たりして、徐々に固さや大きさを調整していきます。
- 切り方を工夫する:小さすぎると丸呑みしやすくなります。食材を少し大きめに、例えばスティック状やブロック状に切ることで、自然と噛む回数が増えるように促します。
- 「よく噛んでね」の声かけ:食事中に「もぐもぐしようね」「カミカミ上手だね」など、楽しい言葉で促してあげましょう。
- 食事はゆっくりと:時間をかけずに急いで食べさせると、丸呑みしやすくなります。お子さんのペースに合わせて、楽しい雰囲気で食事を進めましょう。
- 一緒に「もぐもぐ」見本を見せる:パパやママが美味しそうに、そして意識して「もぐもぐ」と噛んでいる姿を見せることで、お子さんも自然と真似をするようになります。家族みんなで噛むことを意識してみましょう。
子どもの噛む力に関するQ&A
Q1:うちの子、いつも丸呑みで困っています。どうすれば良いですか?
A1:まずは、食べ物の形状を少し大きめにカットしたり、繊維質の多い野菜を取り入れたりして、自然と噛む回数を増やす工夫をしましょう。また、「もぐもぐ一口30回!」など、具体的な目標を遊び感覚で伝えるのも効果的です。焦らず、少しずつ変化を促しましょう。
Q2:噛む力をつけるのに良い食べ物はありますか?
A2:野菜では、レンコン、ごぼう、きのこ類。果物では、りんご(すりおろしから徐々に固形へ)、硬めの梨などがおすすめです。肉類では、鶏むね肉を薄切りにしたり、ひき肉を使ったりすると、噛みやすくなります。おやつなら、するめや煮干しなども良いですが、与えすぎに注意し、小さく切って見守ってあげてください。
Q3:いつ頃から硬めのものを与え始めるのが適切ですか?
A3:お子さんの歯の生え方や咀嚼能力の発達には個人差がありますが、一般的には乳歯が生え揃う1歳半~2歳頃から、徐々に噛み応えのある食材を取り入れるのが目安とされています。お子さんの様子をよく観察し、無理なくステップアップしていきましょう。
Q4:噛む力が弱いと、言葉の発達にも影響しますか?
A4:直接的な因果関係は断定できませんが、噛むことで顎や舌、口周りの筋肉が発達し、それが発音に必要な筋肉を鍛えることにつながると考えられています。しっかり噛んで食べることは、言葉をはっきりと話すための土台作りにも役立つでしょう。
Q5:食事の時間が長くなりがちで困っています。
A5:お子さんの「噛む力」を育むには、ある程度の時間が必要です。もし長すぎると感じる場合は、食事の時間を決めて「〇時までだよ」と伝え、時間で区切る練習をするのも良いでしょう。また、食事中に集中できるよう、テレビを消したり、おもちゃを片付けたりする環境づくりも大切です。
まとめ
子どもの「噛む力」は、日々の食事の中でゆっくりと育まれていきます。焦らず、お子さんの成長に合わせて、食材の選び方や切り方、そして食卓の雰囲気などを工夫してみてください。しっかりと噛んで食べることは、お子さんの体と心の健やかな成長、そして将来の健康な食生活への大切な一歩となるはずです。
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